災害時のために平時からのつながりを―長野市緊急時における子ども支援ネットワーク設立

長野市のどこで災害が起きても、すべての子どもとその家族に必要な支援を届けるための体制をつくるために、NPO法人ながのこどもの城いきいきプロジェクト(以下、こどもの城)が幹事団体となり「長野市緊急時における子ども支援ネットワーク」が設立されました。

2月12日の設立総会には、オンラインを含めて50名以上が参加(長野市緊急時における子ども支援ネットワークから提供)

こどもの城は2019年の台風19号災害の発災直後から、避難所になった北部スポーツ・レクリエーションパーク内に子どもの居場所を設置。多い時で80名程度の未就園児から小学生の子どもたちを預かり、ボランティアメンバーと遊びの支援、学習支援をしてきました。

避難所閉鎖後は休日に子どもの居場所を設置し、一時預かりをしながら、子どもたちの様子を見る中で「継続支援の必要性を感じた」といい、休眠預金を活用して被災地支援を継続。被災した子どもと保護者の被災によるストレスを軽減し、心の元気を取り戻せるよう、子どもの居場所づくりや学習支援を行い、野外活動でのリフレッシュの機会を提供。保護者の心のケアとしてサロンを開き、傾聴などの活動もしてきました。

平時から顔の見える関係づくりをして緊急時に生かしたい

2021年3月、被災した子どもとその家族の支援活動を振り返る会を、子ども支援団体や避難所などの現場を担当していた行政職員たちと共に開催。課題を共有していく中で、緊急時の支援を適切・迅速に子どもたちに届けるには、行政と民間の支援団体が連携して協力し合う仕組みが必要だという想いを共有しました。

振り返る会よりも更に広く多くの支援団体に呼び掛け、2021年6月、災害時の子どもの支援に必要なスキルを学ぶ学習会を初めて実施しました。こどもの城から「平時からの顔の見える関係づくりをして、緊急時に生かせるネットワークづくりをしよう」と参加者に提案。行政、学校、企業、社会福祉団体、地域、NPOなど52団体(個人3名含む)が賛同し登録しました。

2022年度には、ネットワーク設立に向けて、子ども支援関係者ら10団体が参加する検討委員会を立ち上げました。

設立準備を進めながら、学習会や交流会を開催してきましたが、内容を組み立てていくなかで三つのことを大事にしたそうです。

  • 行政と民間それぞれの立場からの報告を受け、お互いを知り理解することで、双方が連携の在り方について考えていくよう心掛けること
  • 参加者の意見を大切にし、課題を共有する中で、その先の内容構成を考えるなど、必要な学びを共に考えること
  • 行政や他の災害ネットワークと連携しながら進めることで、緊急時に機能するネットワークの機能とそれぞれの役割について、参加者と共に考えること

こどもの城がネットワークの形を決めてしまうのではなく、検討委員会に参画した団体が2年間の学習会と交流会を通じてじっくり話し合いを重ねてきました。

お互いの強み、弱みを知り合い、それぞれの強みを最大限に生かし、弱みを補い合える体制づくりをしていくそうです。

ネットワークのイメージ図(長野市緊急時における子ども支援ネットワークから提供)

今後は、

  • 子どもへの対応ガイドライン・コーディネーションガイドラインの作成及び周知
  • ネットワーク拡大に向けた活動
  • スキルアップのための活動
  • コーディネーターの育成
  • 外部ネットワーク組織との連携

この五本柱の事業を中心に活動していくといいます。

ネットワーク運営委員は、2年間検討委員会メンバーを務めた10団体11名が務めます。ネットワーク代表をこどもの城事務局長の小笠原憲子さん、副代表をNPO法人ワーカーズコープの齋藤由美子さんが務め、ネットワーク事務局も、長野市内でこども広場を運営するこどもの城とワーカーズコープの2団体が担います。

長野市も相談役として参画し、市の窓口はこども未来部こども政策課が担います。

ネットワークの代表を務める小笠原憲子さん

小笠原さん「緊急時の子ども支援活動が効果的に行われるために行政と共に、地域、分野、セクターを超えた関係者同士の連携を促進し、長野市のどこで災害が起きてもすべての子どもとその家族に必要な支援を適切に提供できる体制づくりを行いながら、子どもたちの権利を守るための活動を皆様と共にしていきたいです」

2023年度は、五本柱の中でも「子どもへの対応ガイドライン・コーディネーションガイドラインの作成及び周知」を最も大きな柱として始まります。

ガイドラインを確立することで、支援者間の意識共有を行い、同じ目線で子どもたちに接していける基礎にし、支援者の拡大をしていきたいとしています。

ネットワークの会員募集中!

長野市緊急時における子ども支援ネットワークでは、子どもの安心安全を守るための活動を共に行っていくために、ネットワークに参画する会員を募集しています。

これまでと同様に、緊急時にどんな支援が必要か、どんな支援体制を整えていく必要があるかを会員たちが一緒に考えて体制整備を行っていくそうです。

登録会費は団体3000円、個人1000円。ネットワークが定める子どものセーフガーディングのための行動規範へ宣誓署名をし、子ども支援のための各種活動に可能な範囲で参加いただける方が対象です。

取材・執筆/ソーシャルライター 松井明子

長野市緊急時における子ども支援ネットワーク
【問い合わせ先】
NPO法人ながのこどもの城いきいきプロジェクト(災害支援事業)
電話:026-266-0601