SDGsコラム18 海中のプラと魚の量が同じに!?

SDGsの目標14のターゲット1には「2025年までに(略)特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」とあります。
目標パネル14「海の豊かさを守ろう」

最後に海を見たのはいつですか? 日常生活で目に入らないため、課題の一つ「海洋プラスチック」を失くそうといわれても、なかなかピンと来ない人も多いでしょう。

SDGsの目標14のターゲット1には「2025年までに(略)特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」とあります。

国連広報センターのユーチューブチャンネルで「プラスチックの海」(2017年10月公開)という動画が視聴できます。世界で毎年3億トンのプラスチックが生産され、一部が世界中で海へと流れ込み、海流に乗って全世界を回遊しているゴミ。多くが海底に沈み、また表面のゴミも劣化し細かくなり、鳥や魚などの生き物の胃袋へと入るのです。動画の中では、オーストラリアのロード・ハウ島の海岸で見つかった一匹の海鳥の胃から、234個のプラスチック片を取り出す様子がカメラに捕らえられています。

新潟市信濃川河口岸に止まるカモメ(令和元年春筆者撮影)

国連では、2050年には、海中のプラスチックゴミと魚自体の量が同じになると予想していると話しています。そのためには、世界中の国がプラスチックの再生利用を進め、使い捨てをやめ、ビニール袋などのプラスチック製品をやめることを強く訴えています。

分別したプラゴミの行方を知っていますか。長野市では、松岡にある資源再生センターで圧縮梱包。東京都の日本容器包装リサイクル協会に引き渡されます。同協会のホームページによると、加熱して溶かされ、輸送用パレットなど、材料リサイクルされます。また、化学リサイクルという方法を取って、化学的に成分を処理し、他の製品に生まれ変わります。

しかし、ここで問題は、プラスチックのきちんとした仕分けが必要なのです。私たちにできることは、ルール通りの分別はもちろん、汚れや食べ残しを取り除いて出すことです。またプラスチック製品の代わりに、布バッグを使ったり、購入の際に梱包材の材質を選ぶ目を持ち、消費者の需要を変化させ、市場を変えて行く努力をすることです。

遠いように見えても、海のために襟を正して、小さな草の根の行動を心がけたいものです。県では「信州プラスチックマート運動」を進め、協力事業者も募っています。

2021年9月28日長野市民新聞コラム掲載 執筆:寺澤順子(ナガクル編集デスク)