SDGsコラム17 気候変動には「緩和」と「適応」を

目標パネル13「気候変動に具体的な対策を」

ゴール13は「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策をとる」とされています。

長野県は令和元年10月に、千曲川が決壊するなどし、大きな被害を受けました。更に令和3年8月11日からの大雨でも、県内6市町村に災害救助法が適用。土砂災害により岡谷市で死者が出ました。

全国でも佐賀・熊本など九州各地での被害も絶大です。世界を見ても、同時期に大雨で米国南部テネシー州で死者・行方不明者が。中国内陸部広い範囲で大規模な被害が報告されています。

「緊急対策をとる」という言葉が現実となって降りかかり、待ったなしの温暖化対策。


振り返ると、2015年のCOP21(国連気候変動枠組み条約21回締約会議)で、パリ協定が採択され、世界の平均気温の上昇を1.5度におさえる。CO2排出量を今世紀中に実質ゼロにすることを目標にしました。

18年の世界の二酸化炭素排出量は335億トン。その内中国が28・4%、米国が14・7%、その後インド、ロシアと続き、日本は5番目3・2%をしめています。また一人当りの排出量は、米国、ロシア、韓国に続き、日本は4番目。つまり、私たち一人一人がいかにCO2排出削減に貢献するかが世界から、問われているのです。

令和3年4月22日、気候変動に関する首脳会議が米国主催で開かれました。日本は13年度比で46%減に、米国は05年比で50から52%減にと指標を明らかに。また、日本や米英EUは50年に、中国は60年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すと宣言しました。

ゴール13は「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策をとる」とされています。
大雨後の美しい空(市内で令和3年8月23日筆者撮影)

さて、私たち市民レベルでできることはなんでしょうか。カーボンフットプリント」ということばを知っていますか。自社自ら、商品やサービスの生産や流通などの過程で排出された温室効果ガスの量や割合を追跡した表示のことです。

日本ハム、イオンなどの企業がホームページで商品と表示を紹介しています。現在全国で300の事業者が参加。消費者である私たちは、こうした商品を選ぶ目を養うこと。また、自身の生活におけるエネルギー消費量を改めて意識することも大切です。

一方で、災害などに対し、強くしなやかな地域社会を、多様な組織や市民が協力して作り上げることで、環境に適応していくことも必要なのです。

2021年8月31日長野市民新聞コラム掲載 執筆:寺澤順子(ナガクル編集デスク)