SDGs17のゴールの達成度について、6月30日に「持続可能な開発レポート2020」が発表されました。総合で166カ国中、スウェーデン、デンマーク、フィンランドがベスト3。アジアでは日本が17位、韓国が20位でした。
しかしゴール5の「ジェンダー平等を実現しよう」においては、日本は特に達成度が低いと言う結果に。指標の一つ「ジェンダーギャップ指数」を見てみましょう。女性国会議員の人数、男女の賃金格差、家事・子育てなど無賃労働時間の男女差が理由として挙げられています。153カ国中121位と下位にあります。
内閣府が行った意識調査では「夫が外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考えに、日本では、男女共に半数近くが未だ賛成しているのです。教育では、高校への進学率や男女の学力格差はありません。が、低所得家庭の女性の大学進学率は、高所得家庭と比べ2分の1という数字が出ています。これはジェンダー平等と貧困が、日本でも切り離せない関係にあることを示しています。
2000年にできたフランスのパリテ法は、選挙で男女50%の議員の候補者擁立を義務付けています。日本でも女性議員が中心となり、日本版パリテ法と呼ばれる理念法が2018年5月に施行されました。
しかし、今年1月時点で日本の国会議員の女性比率は衆議院が9.9%、参議院が22.9%。また、都道府県議会での女性比率は10%、町村議会では10.1%、市区議会で15.3%。男女同数には程遠い数値です。9月に発足した菅内閣を見ても一目瞭然。この法律がスピーディーに効果をもたらすとは考えづらいのです。女性不在で、世の中の仕組みが決められることを、そろそろストップしませんか。
10月まで放映されてきた国民的人気ドラマ「半沢直樹」を見ても、経済界・政界を牛耳っているのは男性。しかも女性国会議員を「このアマ」と弁護士がどう喝し、妻や女将は支える立場に置くなど、男性優位に描かれても全く不快感がない。これが日本の国民意識の現実です。
また夫婦別姓、介護労働、相続、LGBT(性的マイノリティ)への理解や人権保護についてなど、法的整備も必要な課題が日本には山積しています。
文責:ナガクル編集デスク・フリーライター寺澤順子 長野市民新聞 SDGsコラム「地域を救え! 地球を救え! SDGs達成への挑戦」2020年10月27日掲載