Myストーリー「仲間の成長がうれしい」翠翔会ー谷政実さん

翠翔会の谷政実さん

「中卒で嫌な思いをたくさんした。ボランティアで落書きを消していた時に警察官に声をかけられ、連れていかれたり」と語るのは翠翔会の谷政実さん。

中学卒業後就職しましたがすぐに退職、通信制高校に入学しますが友達ができないと1年で退学。

その後父が経営するコンビニで働くようになります。休みは週1回火曜日だけ、夜勤だったので一緒に遊ぶ友達もなく、ゲームの世界にのめりこみます。当時インターネット上でつながりを作るSNSが流行し始め、自らコミュニティを作りました。その名も「平日も遊ぼうin長野」。

しかし、人数が多くなるとトラブルも増え、10人のメンバーとそのコミュニティを飛び出しました。メンバーの中には障害のある人や心に傷を負った人もいました。そこで、「社会から疎外された人の居場所」として2015年1月に翠翔会を発足します。

メンバーから「ボランティアしたい」という声が上がり、どうせやるなら「誰もやっていないこと」「誰にもまねできないこと」をやりたいと映画上映をすることになります。

障害者施設や幼稚園などで2カ月に1回の上映会を企画、普段映画館に行けない人たちにも映画を通して何かを伝えたいと活動します。谷さんは映画製作会社で仕事をした経験があり、機材なども譲り受けその技術を生かしました。

現在は保険会社に勤務する傍ら、映画上映や子ども食堂での学習支援など翠翔会の活動に奔走。「翠翔会は学校や社会ではできない仲間の居場所」とのこと。仲間の成長を喜び、谷さん自身が困ったときに助けてくれる仲間の存在を大切にしています。

現在36歳。40歳で翠翔会を引退、屋台のおじさんになって養子をもらうのが夢です。

プロフィール:
長野市小鍋在住。妻と猫2匹、モルモット2匹と同居。モルモットの名前は“レタス”と“キャベツ”

(記事初出:市民協働サポートセンター発行「機関紙まんまる」2021年春号)