SDGsコラム35 国際女性デーで人権を考える 

「アンコンシャス・バイアス」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。無意識の偏見や思い込みを指します。性別によりどんな意識の偏りがあるのかについて、内閣府男女共同参画局が20代から60代までの国民、1万906人に調査し、昨年11月に結果を公表しました。


その中で性別役割に対する考えとして、男女共に上位に上がったのは「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」「女性には女性らしい感性があるものだ」「女性は感情的になりやすい」で、いずれも全体の3割から5割近い人たちがそう思っていました。さらに目立ったのは「女性は結婚によって、経済的に安定を得るほうが良い」「女性は弱い存在なので、まもられなければならない」などが男女共に10位以内にあがっています。あなたはどう考えますか。

令和4年度アンコンシャス・バイアスに関する調査結果(内閣府男女共同参画局資料)


国連が制定している「国際女性デー」が今年も3月8日に迫っています。1908年、米国ニューヨーク市で女性たちが労働条件改善のデモを行ったことを発端に、世界に運動が広がり、女性の参政権獲得に至りました。


OECDの21年の調査によると、日本の企業における女性役員割合は12・6%で、諸外国と比べて非常に低い値を示しています。長野県内の女性管理職の割合を見ても、医療福祉を除いて3割以下だと、県の女性活躍推進事業の資料に示されています。


まず私たちにできることは、大人として人権に関する見識を深めること。そして少なくとも地域の役員や企業の管理職など、決定権がある立場の男女比をできる限り同等にもっていくことです。


家庭内や社会で、無意識による誰かの犠牲や苦痛の上に、経済成長が成り立つ構図をもうやめなければいけません。ぜひアンコンシャスバイアスとはなにか、内閣府のアンコンシャス・バイアス解消等に向けた普及啓発用動画を視聴してみてください。無意識な上司の発言に苦しむ女性に限らず、男性も描かれています。


市内では国際女性デー当日、市民協働サポートセンターが3・8国際女性デー長野プロジェクトと協力し「地域づくり女しょ会」をもんぜんぷら座で23年3月8日に開催します。社会を動かすには仲間と知恵が必要です。住民自治協議会でリーダー的な立場にある人や、企業の管理職のみなさんもぜひ参加してみては。※終了しました。

2022年2月27日長野市民新聞コラム掲載 執筆:寺澤順子(ナガクル編集デスク)