「働きがいも経済成長も」というSDGsの目標8を見ると、沈んだ気持ちになる。
国際通貨基金(IMF)が発表した2020年度年次報告のタイトルは「未曾有(みぞう)の年」。「新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、世界経済は深刻な景気後退に直面している。今後の見通しは依然として不確実であり、それに加えてウイルスや景気回復への各国の対応を形づくり、影響を与える長期適要因も存在している」と綴っている。
世界では新型コロナウイルスで死者が200万人を越え、多くの国で人の往来が制限され、家庭経済もひっぱく。低金利時代に輪をかけて、財政赤字や公的な債務の比率を増加させる国々が増え、GDPは日本も含め、全世界的にマイナス成長となる見込みだ。
IMFは2020年には1650億ドルを83カ国に融資。「低金利と高水準の債務が未来を形づくる」とまで言い切っている。まさに、各国の経済政策が非常に苦しい局面にはいっているのだ。
しかし一方で「テクノロジーと仕事の自動化、デジタル通貨の台頭(中略)などで、世界中の人々の生活は本質的に変化している」とも言及。更に「(前略)あらゆる人にとってより好ましい未来を構築する機会になるかもしれない。国際社会が誠意と共通の目標を持って協力すれば(中略)あらゆる人に役立つグローバル経済を創出するような景気回復を実現できるだろう」との文が印象的だ。
ウイルスや災害が、目の前の問題として世界の人々に迫り、私たち一人一人が地球の環境や経済について真剣に考える機会を得たともいえる。一国だけでは解決できないため、世界が一つになって力を出し合って、支えあっていかなければならないことを示唆しているのだ。
確かに、オンラインで個人として、世界企業への株式投資や資金提供、デジタル通貨の運用、個人間取引が当たり前にできるようにもなってきた。
「SDGs全国フォーラム長野2020」が、1月30・31日とオンラインで開催される。グローバルに学び、固定概念を見直して行動することで世界が救われるのでは。そんな視点で参加してみてはどうだうか。
※掲載後、コロナウイルス対策によりオンラインのみで開催されました。
当日の動画が公開されています👉 shinshu-sdgshiroba.com/forum
文責:ナガクル編集デスク・フリーライター寺澤順子
長野市民新聞 SDGsコラム「地域を救え! 地球を救え! SDGs達成への挑戦」2021年1月26日掲載