#認知症グループホームの一つの現実
寄稿:そよかぜ
 2019.3.15

私の母は83歳、認知症。13年前父が急逝してから少しづつ症状が出始めデイサービス2ヶ所を経て今のグループホームで生活して2年になる。

日本認知症グループホーム協会によると認知症グループホームは「認知症の人にとって生活しやすい環境を整え、少人数の中で「なじみの関係」をつくり上げることにより、 生活上のつまづきや認知症状を軽減し、心身の状態を穏やかに保ち、過去に体験した役割を見出すなどして、潜在的な能力に働きかけ、認知症の人の失いかけた能力を再び引き出し、本人らしい生活を再構築することが可能」としている。できることは引き続きやりつつ、少しづつできなくなっていくことはまだできる人や施設職員の手助けを得て母らしく生活していけるようにと、当時入居できる施設を探したが現実には多少の手助けで生活できる人より身体的に常時介助の必要な高齢者が入居しているケースが多かった。母のように膝も腰も年相応にあちこち痛い程度の者は入居優先度が低い。

長野市では65歳以上の高齢者の独居もしくは夫婦世帯が51%を超えている(2015年・長野市「あんしんいきいきプラン21」)。少子化と晩婚化の中で、子育てをしている家庭に高齢の親を迎えて暮らすのは実際相当難しい。北欧デンマークやスウェーデンでは同居率は数パーセントしかないという(「諸外国における介護施設の機能分化等に関する調査報告書」厚生労働省)。介護や福祉の社会化が進んでいるのだ。日本もそういう社会を目指しているが、長野市のデータで見ると高齢者福祉施設の定員のうち半分以上は特養や老健などの介護保険施設が占めている。これらの施設の利用は介護度の高い人であり、母のような介護度の低い認知症に対応するグループホームは2017年度末で定員は780人、この先3年の整備計画でも90人の増加にとどまっている。

 

介護施設職員の待遇と離職率

そして施設の担当職員はよく変わる。2017年の介護施設職員の離職率は16.7%(介護労働安定センター調査)、6人に1人はやめてしまうのが現状で、私が把握しているだけで、退職のほか系列の施設への移動という名目も含め母が入居してからの2年間に18人の職員のうち56人の職員が入れ替わっている。このグループホームは1ユニット9人で2ユニット18人が入居しているが、平屋ではないため入居者同士の12階の交流はほとんどないが職員の交代はよくある。入居者全体を職員全体で見る、という説明だが私も母も少し慣れたと思うと別の階の担当になりましたと挨拶されたりする。施設長との面談の中で「どうしても若い人は続かない、給料が安いから。これから結婚を考えている人や子育て中の家庭の人は辞めていく」と話してくれた。

 

実際厚労省の調査によると、10年以上勤務する介護職員の給料の平均は20179月時点で326,620円だが、政府は「人づくり革命」として2017年12月、10年以上同一の事業所で働く介護福祉士の給料を月額8万円アップを目指すと発表し、2018年10月の社会保障審議会介護給付費分科会では、2019年10月以降の新たな処遇改善の方針が提示された。実際の現場では就業10年以内の若い人たちが数多く働いていて、その世代の給料アップにはなかなかならず決して十分とは思えないが、認知症が今後増えていくと言われる中で、介護職員の職場環境が少しでも長く働ける方向に変化していくことは意味のあることだと思う。

(執筆:ペンネームそよかぜ)

 

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