「認知症の母を○子さん、と名前で呼ぶようにしたら楽になった」と話すのは、大豆島地区で実母の介護を経験した女性です。「母はこんな人じゃない」という過去の母親像にこだわらず、客観的な立場で接することで自身の心の葛藤を軽くなった経験を語りました。
市民協働サポートセンターが取り組んできた、地域の交流会「地域まんまる」を大豆島地区で2月7日に開催し、44人が集まりました。
今回のテーマは「介護している人の声が聞きたい!」とし、数人ずつのグループに分かれて座り、介護経験者がそれぞれのグループで体験を語る形をとりました。
冒頭では市内で開催する「介護者のつどい」について、長野市社会福祉協議会より説明がありました。
続いて「認知症の人と家族の会長野県支部」の伝田景光さんより、介護する中で認知症の人への接し方を紹介。「何が食べたい?」ではなく「夕飯は○○にしようと思うけどいい?」と、具体的でありながらも、本人が主体的に判断できる質問をと説明しました。また、介護する家族へも地域の人たちが「大変ね」と声がけをすることの大切さを訴えました。
グループワークでは「親の介護をする中、夫がうつ病に。生活を支えるためバイトを2つ掛け持ちし、子育てもしてきた。20年、なんとか生きてきた」と経験者が発言。多数の課題を抱える家族に対し、地域でなにができるのかを考えました。
(文:ナガクル編集デスク 寺澤順子 記事初出:長野市民新聞「市民とNPOのひろば」2020年3月3日掲載)
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