学生も変わる!「野菜で変わる、生きる形-。」

NAGANO農の食の会、定例会開かれる

 

~ NAGANO農と食の会とは・・・ ~

ススキも穂を垂れ稲刈りも始まりだした「仲秋の名月」前日、

第80回を数える「NAGANO農と食の会」が長野市松代にて開催された。

 

                 NAGANO農と食の会とは

大切な家族に安心して食べさせることができる農産物」を届けたいという農家の思いを

命の恵みへの感謝の気持ちとともに消費者に届けたい。

 

また、豊かな実りをもたらす長野県という風土や作り手である農家と、

それをいただく消費者を、有機的につなげていくことを目的に2013年6月に設立された。

 

日本の食卓の原点を守るための活動をしている。

 

ふるば村自然農園 渡辺啓道さん

まごころ・ふれあい農園 久保田道隆さん

カネマツ物産 小山都代さん

三名が共同代表。

 

NAGANO農と食の会 リーフレット
NAGANO農と食の会 リーフレット
NAGANO農と食の会 リーフレット

 

 

 

~ 定例会の参加は誰でも可能 ~

 

農と食の寺子屋定例会は毎月1回、農家・消費者問わず、

事前の申込不要(参加費:100円)できるオープンな会。

 

ワークショップ、勉強会、情報交換等で数時間では時間が足りないほど白熱。

昨年度は、「種子法廃止」に向けた勉強を深め

毎回60名ほどの参加者が詰めかけた。

 

現在も40名ほどが長野市内はもとより

小布施町・中野市・飯山市・山ノ内町・千曲市や

群馬県、東京都、鹿児島県からも

会の評判を聞きつけ参加している。

 

20代から80代の幅広い年齢層とともに、

男女比も6対4ほどで女性の皆さんも多く参加。

 

 

~ 過去の定例会の様子 ~

 

第79回(8月)の定例会では

総合地球環境学研究所FEASTプロジェクト(京都市)による

「食の市民ネットワークとフードポリシーの共同策定の経験」と、

秋田県能代市、京都府亀岡市・京都市などの食と農の未来に向けての取組を紹介いただく。

 

第78回(7月)の定例会では、

平成30年度全国山林苗畑品評会:林野庁長官賞を受賞の

荒井里佳子さん(長野市川中島町)の取組の様子を伺う。

 

~ 今回の定例会は学生も参加! ~

 

さて第80回の今回。

いつもと趣が少し変わり、

千葉商科大学小計学部教職課程

近藤ゼミの2、3年生の21名の学生が参加。

会員の母校であることの縁。昨年に引き続きの2回目である。

2泊3日の「ビジネスプランづくり」が目的であり、

                          歴史・文化・農業を体験し、地元の企業を学ぶ合宿の中、定例会にも参加。 

 

 

 

4名の会員の話を聞く。

 

 

まずは長野市信州新町のふるば自然農園 代表:渡辺啓道さん。

                                 約40年程前に生まれ育った東京から名古屋市で学生生活を送る。

学生生活を自主卒業後、「資源リサイクルセンター」にて活動を始める中、

自分の価値観・生き方・稼ぎ方を大いに学ぶ。

その後、「大地を守る会」にて有機野菜販売を手掛ける中、

魂をゆさぶられ、長野市にて有機農家として生きる決心をし、今に至る。

7年前、「人はネットワークが必要。思いを持った人と結びつくことは大事」と

2名の代表とNAGANO農と食の会を立ち上げ現在にいたる。

共同代表:渡辺啓道さん

 

 

 

飯綱町の古民家カフェのらのら 店主:浜崎愛さん。

千葉県八千代市にて2011年3月11日の震災を経験。

当時3歳だった息子は保育園に入れず、

他の保護者といっしょに外遊びを存分に経験させる活動をしていた。

しかしながら、震災後、そのときに触る土に放射性物質が含まれる心配が重なり、

翌年、飯綱町へと避難。2013年には夫と他の息子2人も合流。

「避難」の中、「食べていかねば」ならず、

食に関わることならできる⇒ カフェをしてみたいと思うように。

2018年にその思いは現実となり、

「古民家カフェのらのら」がオープン。

週3回畑にて野菜・米を栽培し、それをカフェに出している。

食べた人が元気になって、食べ物を通して世界がよくなり、

みんなが幸せになることを模索している。

浜崎愛さん

 

 

OBUSEめぐる研究所 コウドウ陽明 代表:工藤陽輔さん

高校時代は野球、大学生・院生時代はラグビーに打ち込む生活を静岡でおくる。

研究開発職として働きだすも、「自分に向かっておらず、楽しくなかった」

自動車の部品を作る会社に転職後、仕事に区切りが付き、やりきった思いがあった。

その中、小布施町にUターンし有機農業をしていた学生時代の友人が体調を崩す。

「今だ!」と思い、仕事をきっぱり辞め、小布施にて有機農業を仕事とし今に至る。

「世の中間違った方向に進んでいる。あなたはそれを正しなさい」と

20代の頃に言われ、現在、それが今生の仕事を感じている。

工藤陽輔さん

 

 

炭農家うえの 代表:植野翔さん。

建築学科の1年時の2001年9月11日、アメリカで発生した

ビルへの飛行機激突事件をなぜそれが起きたのか自分なりに調べた。

もしかしたら戦争に加担しているのではと感じ、

「自給自足」の生活をしないと・・・と思いつめ、

農村に赴くようになり、大学でのゼミで「地域づくり」を学ぶ。

そして信級に移住し、月に3,4回仕事をする生活を送っている。

炭焼きをした予熱で玄米コーヒーを焙煎し製品化。

廃材を炭にし予熱で玄米コーヒー。

まさしく、持続可能な社会を実践中。

今後は、やぎに草を食べてもらい、やぎの乳にてチーズ等の製造にも挑戦したい。

植野翔さん

 

 

~ 嫌いなナスを食べられた!学生の感想より ~

 

    会員の話を聞いた直後、21名全員の感想を共有。

その中の一部を紹介する。

       ●農家さんの手伝い後に出された、嫌いだったナスが食べることができた。

苦手なことも克服できる気づきを得た

 

●昨年もこの会に参加した。実家の農作業を手伝いながら、

昨年聞いた農薬の危険性について家族と話ができ。

自分も農業に興味がでてきた。

 

●浜崎さんの話の中、自分の利益、幸せではなく、

他の人の幸せを考えていることを聞き、大事だと思った。

 

●観光・食品会社への就職を目指している。

安全な食材を使っているかを見極めて就職に役立てたい。

 

 

 

 

~ キーワードは「ネットワーク」 ~

 

1人ではできない事も、様々な思いをもちながら活動している人々が

ネットワークを組むことによって多岐にわたる事業が始動して

農と人のつながりが醸成中のNGANO農と食の会。

                                                                                              

 

今回のように、会員が母校の縁で千葉県の大学の学生が参加することは、

まさしくこの会のめざすところの人のつながりのひとつが形になった一例。

 

次回の定例会予定は、第81回は10月10日(木)

第82回は11月21日(木)を予定し、今後も目が離せない会である。

(文責:ソーシャルライター・野菜ソムリエプロ:増田朱美)

 

ナガクルは国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGs(エスディージーズ)に賛同しています。この記事は下記のゴールにつながっています。