楽しく活動をしていたため意識などしたことなかったのですが、どうやら始まりから12年余り経っていたようです。我らは「ぞろめの会」、若槻地区でぞうきんを縫うボランティアグループです。
「寄付されたタオルと糸でぞうきんを縫い、必要としている施設にお渡しする」を目的に、現在、卒寿を過ぎたベテランをはじめ7~10人が月に1度集まり、2時間ほどぞうきんを縫っています。開催日は月と日が同じ日にち(例えば3月3日、4月4日など)で、そこから「ぞろめの会」と名付けました。また、集まって縫うメンバーとは別に、自宅で自分のペースで縫う「ぞろめプチクラブ」メンバーもいて、そちらも目下活動中。

縫ったぞうきんは、欲しいと連絡のあった地区内施設に寄付するほか、不定期に若槻コミュニティセンター入口で8枚1セットを200円でお譲りし、その代金は市社協を通じトルコ地震や能登半島災害に寄付しています。
月イチの活動はまさに口八丁手八丁。おしゃべりに花を咲かせつつ、次々とぞうきんを仕上げます。話題はもっぱら自分の行く末。「免許返納する前に、バスの停留所2つ分を歩けるようにしておく」と自ら宣言し、実行したメンバーの「とにかく、そのくらい筋力をつけておかないと、免許返納した後、行動範囲が狭くなるからね。そうならないためにアタシはいっぱい歩いたよ。そして今も歩けているよ」という言葉が心に残ります。毎回このように名言続出です。
タオルと糸は、地区のお便りで募集します。定期的にタオルを届けてくれる方、実家の空き家を整理中、押入れの奥から出てきたと段ボールいっぱいタオルを持参した方、県外に住む子どもさんとの同居が決まり、保管していたタオルを寄付したい、という方からの問合せもありました。以前市民新聞にぞろめの会が掲載された折は、市内の旅館からタオルをたくさんいただき大変助かりました。一同、感謝の気持ちでいっぱいです。
このように、寄付のおかげで私たちは楽しくぞうきんを縫えています。いただいた寄付のご恩が、必要な方の手元にぞうきんを届けたり、お譲り代金を寄付したりすることにより、恩送りになっていたとしたら幸せに思います。
執筆:若槻地区住民自治協議会 若槻地区地域福祉ワーカー、「ぞろめの会」メンバー 宮澤 由枝
初出:長野市民新聞 NPOリレーコラム「空SORA」2025年4月掲載