今年4月1日に「プラスチック新法」が施行されます。正式名称は「プラスチックに係る資源循環の促進などに関する法律」。企業・行政・消費者の三者が連携し、プラスチック製品を減らし(リデュース)、再使用し(リユース)、再利用する(リサイクル)いわゆる3Rを土台として行動を起こすことを推進する法律です。
具体的には、事業者による製品自体の環境配慮設計、プラスチック製品の自主回収や再資源化、排出の抑制などです。事業者にとって厳しい内容となっています。しかし、いわゆる促進法であって、環境省に企業が登録して既存の制度を越えた活動ができるようになる一方で、取り組まない企業には、特に罰則はありません。
環境省は施行に向け、今月14日に特設サイト「プラスチック資源循環」をオープンしました。
これまで環境省は「海ゴミゼロアワード」を2019年より開始。県内では伊那食品工業が「可食性フィルムの研究開発」で審査員特別賞を受賞しました。食品だけでなく医療への使用も期待されています。内容はユーチューブ「海と日本プロジェクト」で視聴できます。
さて新法成立には多くの市民団体が関わりました。「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」が「今後のプラスチック資源施策のあり方について」を昨年1月に示したのです。
私たち消費者はいわば、地球を守る立ち位置から、この法律を捕らえ行動するべきです。製品を選んで買い、学び、意見をもち、行政や企業を動かしていくことも大事。
長野市で活動するNPO法人みどりの市民は、新法施行に向けて「信州環境カレッジ実践者養成講座」をシリーズで開催してきました。2月13日には「脱プラ対策・リレートーク」開催を予定しています。そこでは環境省の新法担当官や先行事例として亀岡市の行政職員、リユース食器事業のNPO法人や取り組み企業、研究者などの話を聞くことができます。オンライン受講です。
また2月23日には映画「マイクロプラスチック・ストーリー」をオンラインで上映予定。日本人監督佐竹敦子さんのビデオメッセージも見ることができます。筆者は以前オンライン視聴し、佐竹監督と交流。ニューヨーク市の小学生がマイクロプラスチック問題の現状を探り、行動し、市全体を動かすという内容。筆者はこの体験の後、プラスチック製品に対する考えが大きく変わりました。
2月23日ふれあい福祉センターで「マイクロプラスチック・ストーリー」上映予定(参加費500円・高校生以下無料)問合せ/みどりの市民TEL269—5092
2022年1月25日長野市民新聞コラム掲載 執筆:寺澤順子(ナガクル編集デスク)