マイクロプラスチックが、私たち人間の体内にも存在することを知っていますか。


音声を使ったSNS「Clubhouse」で、筆者が出合った、米国在住、日本人の映画監督佐竹敦子さん。映画「マイクロプラスチック・ストーリー」は、数々の映画祭で評価され、日本でも環境活動家を始め、全国で話題となっている。日本語の字幕付きで、無料でのオンライン上映会とトーショーが3月7日に開催され、日本全国から70人が参加し、監督の思いを聞いた。


副題は「ニューヨークの小学生がプラスチッキ汚染解決に立ち上がる。ぼくらが作る2050年」。ニューヨーク州ブルックリンにある小学5年生が2年にわたって学校の先生と共に海洋プラスチックについて学んでいく。海岸でのゴミ拾いを通し、プラスチック汚染の現状と、人々の生活や動物や体、地球に与える影響を調べる。海洋学者やプラスチックゴミの研究者にも出会い、プラスチックが魚、土、植物、人間の細胞にまで入り込んでしまっていることを知り衝撃を受ける。

そして、プラスチックを使わない給食を自分たちの手で実現する。ニューヨーク市の民にプラスチックを使わないよう丹念に呼びかけていく。ついには、ニューヨーク市庁舎の前で演説をし、市議会や市長にアピール。市制をも動かす結果に…。感動のストーリーだ。

生きた教育とはこのことであろう。子どもたちが自分たちで調査し、情報発信し、ロビー活動までする。その運動が市民の心を変え、政治を動かすという体験をしていくのだ。子どもたちの成長に寄り添い、表情の変化が描かれている。地球の将来を担う人材となっていくだろうことがうかがわれる映画だ。「次世代を担う子どもたち自身が、課題解決能力をつけることが大事」と監督は言う。現在、学校などでの自主上映会を募っている。また日本語吹き替え版制作の声優を公募予定とのこと。

一方、長野市では高校生グループGomitomoがゴミ拾いイベント「清走中」を開催。環境省の全国ユース環境活動発表会で特別賞を受賞。企業も巻き込み全県に活動を広げている。

いま、若い世代が30年後、100年後の地球環境を見据えて、立ち上がっている。

文責:ナガクル編集デスク・フリーライター寺澤順子
長野市民新聞 SDGsコラム「地域を救え! 地球を救え! SDGs達成への挑戦」2021年3月23日掲載