SDGs研修で地球に優しい企業を目指す~株式会社アドイシグロ~コロナ禍で「北信五岳」衝立を300販売

看板の企画制作などを行う「株式会社アドイシグロ」は2020年に「長野県SDGs推進企業」に登録しました。

アドイシグロは、「中心市街地の危険広告物半減(2020年 180カ所→2030年 90カ所)」「女性社員が全社員の30%超(2020年 2名→2030年6名)」「SDGsの社内周知と達成貢献のための研修や発信をする(社内研修会・イベントWS開催)」という3つをSDGs達成の重点的な取り組みとしています。

5月29日に初めて、全社員が「『SDGs de 地域創生』カードゲーム」を行いました。

研修で活用した「SDGs de 地域創生」は、SDGsの考え方を地域の活性化に活かし、地方創生を実現する方法について参加者全員で対話し、考えるためのカードゲーム。

特定非営利活動法人長野県NPOセンターが、長野市から委託を受け運営する「市民協働サポートセンター・まんまる」のコーディネーター、田中一樹さんと戸井田由奈さんがファシリテーターを務めました。

参加した15人は年齢層はさまざま。SDGsの考え方についてレクチャーを受けた後、2~3人1組でチームになり、手元に配られた「プレイヤーカード」に書かれたゴールに向けて、それぞれのチームがプロジェクト(事業)を進めました。

手元に配られたプロジェクトカード(手前)

ゲームの舞台は架空のまち。1ターム(12分)を3年として4ターム行い、12年後のまちを良くするために、それぞれのチームごとに異なるゴール達成に向かいます。

「プロジェクトカード」「資源カード」「お金」が手元にあり、プロジェクトをクリアするとお金や資源がもらえて、内容によってはまちの「人口」「経済」「環境」「暮らし」の4つの「地域の状況メーター」が増減(下記写真色磁石参照)。メーターが増えるほど、まちの状態はよくなります。

どのプロジェクトがメーターを増減させるのかはクリアした後にわかる

プロジェクトのクリアのために他のチームの持つ人材資源が必要だったり、地域の状況メーターが低いとクリアできないなど、それぞれのチームの状況は絡み合っていて、他チームとの交渉(対話)をいかに詰めていくかがクリア(事業実現)のカギになっています。

「経済成長を見込めるプロジェクトカードを持っていますか?あれば出資します!」

「不妊治療の助成をすれば人口が増える可能性が高い」

「このプロジェクトで人口が増える保障がないからお金は出せない」

…などなど、現実世界さながらの意見が飛び交います。

どのプロジェクトカードをクリアさせるか相談し合う参加者

各チームがたくさんのプロジェクトをクリアしましたが、ゲーム終了のまちの12年後、メーターは全体的に下がってしまいました。

ゴールを達成できたのは7チーム中4チームという結果でした。

ゲームに参加するのは今回で3回目という社長の石黒ちとせさんは、「初回参加の時は自分のカードをじっと見つめるだけで時間が過ぎ大失敗しました。対話不足だと何も動かないのは現実世界に似ています。今回は全員が動き回って相談して、当たり前に対話できていたのですごいと思いました」と話します。

※SDGsカードゲーム研修に関してのお申し込みお問い合わせはSDGsコネクト信州のサイトより

古いビルを職人技術で蘇らせる。ビンテージビル事業に取り組む

アドイシグロは、1978年に同社屋敷地内に建てられ老朽化していた鉄筋コンクリート6階建ての共同住宅「光ハイツ」のリノベーションの協働事業を2013年にスタートしました。

日本では新築を好む傾向が根強く、いまだに古くなったら壊して建て替える「スクラップアンドビルド」が当たり前になっています。

そんな中、古いものの良さを生かしてリノベーションすることで、新築よりも価値を高めてビンテージ化して売り出す新規事業を始めました。

👉「長野ビンテージビルプロジェクト@光ハイツ」については、下記、2019.3.25のナガクルフレンドリー企業記事参照

石黒さんは、ソーシャルビジネスの勉強会に参加するなかでSDGsの考え方に触れてきました。社内で「SDGs」という言葉を使っての活動はしてきませんでしたが、光ハイツの認知度が上がったことで若手人材が集まるようになったそうです。

「今の子どもたちは学校でSDGsを学んでいるので、会社でSDGsを取り組まないと共通言語を失い、若い世代と考え方の壁ができてしまうので、大人世代も学ぶことが大事だと思います」と石黒さん。

コロナ対策で「北信五岳」をあしらったパーテーションデザインが話題に

昨年からのコロナ禍、同社にアクリル製のパーテーション(間仕切り)の問い合わせが増えましたが、価格面でネット通販に叶わず、なかなか受注につながらなかったそうです。

「何かできないだろうか」と社内で話し合ったところ、無機質な四角形ではなく、北信地方の住民にはおなじみの「北信五岳」をあしらったデザインにしたらどうかと若手社員から提案があり、すぐに商品化。昨年6月、「マウンテンマウンテン」と名付けて売り出しました。

すでに300個弱を販売し、「癒される」「お客さんとの話のネタになる」など、購入後のお客さんから喜びの声が続々と届いているといいます。

山に守られている感覚をコロナ対策でも。「長野らしいニューノーマル」として、様々な企業、お店などを彩っています。

連絡先👉アドイシグロ 〒380-0811 長野県長野市東鶴賀町30 Tel.026-233-2105 Fax.026-232-1066

文責・写真&動画撮影:ソーシャルライター松井明子 動画編集:吉田百助