SDGsコラム2:桜前線が消える日が来る?!

環境省公開の動画「2100年未来の天気予報」を視聴したことがありますか。平均気温が最大4・8度上昇した日本を想定—夏には全国で一日の最高気温40度を越える日が続き超大型台風が襲ってくる。冬には雪不足でスキー場が次々と閉鎖。高温で全国一斉に桜が咲くためニュースから桜前線が消える—とうたっています。同時に気温上昇を1・5度に抑えられた場合の天気予報も比較し公開。「あなたは、今からなにをしますか」と呼びかけています。

動画「2100未来の天気予報」https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/2100weather 「#天気予報2100」で検索

気象庁のデータで長野県の気温を振り返ると、1919年の年間平均気温が11・1度、2019年が12・9度と、100年で1・7度違いがあります。筆者の記憶では、天気予報で約50年前でも、真夏に最高気温30度を超える日はほぼありませんでした。一方、昨年8月には36度という数値を複数回目にしました。近い将来、40度を越える日が来ることもありえるのではないか…と怖くなります。昨年10月に起きた台風19号による水害にしても、冬の雪不足にしても、気温上昇による身近な影響を実感せざるを得ません。

環境問題だけに限らず、人口減少、貧困、疫病、人権など様々な課題により、いま、地球が持続不能の危機に瀕しています。SDGsは、データ分析に加え、支援活動を行う国やNGO、市民グループなど、現場の声を取り入れて作られました。発案は2015年にノーベル平和賞を受賞したフアカ・マヌエル・サントス大統領を擁するコロンビア共和国。国連でのその策定方法は異例の参加型でした。日本も2013年には「ポスト2015NGOプラットフォーム」を設立し策定過程にNPOも参画しました。

まさに「私たちに今なにができるのか」を集約した目標と言えます。SDGs市民社会ネットワーク発行の「基本解説 そうだったのか。SDGs」(写真)の中で、1972年に米国のデニス・メドウズらの「成長の限界」で、2030年には地球規模の経済崩壊に直面すると紹介。

災害や新型コロナウイルスにより、今まさにその危機に直面している我々。固定概念を捨て、生活習慣を大きく変え、共に行動するときに来ています。

文責:ナガクル編集デスク・フリーライター寺澤順子
長野市民新聞 SDGsコラム地域を救え!地球を救え!SDGs達成への挑戦
2020年5月26日掲載