SDGsコラム23 (続)プラスチック新法施行にあたって

前回、2022年4月1日の「プラスチック新法」施行について紹介しました。今回はその続きです。NPO法人みどりの市民主催の信州環境カレッジ実践者養成講座が2月13日にオンラインで行われ、「脱プラ対策・リレートーク」に筆者も参加しました。

特筆すべきは、京都府亀岡市の事例です。人口8万7千人の市で日本で始めて「プスチック製レジ袋提供禁止に関する条例」を制定、2021年より施行しました。海のない市です。


亀岡市民にはプラスチック以外の材質のエコバッグを持参して買い物することが義務付けられました。2019年4月には毎月73・6万枚提供されていたレジ袋が、21年には1・3万枚にまで減少。エコバッグ持参率は98・1%と目標の100%に迫っています。「条例の施行から1年経過したが、混乱はなく順調」と市の担当者は語りました。

きっかけは、12年ほど前、保津川下りで有名な観光スポットでのこと。度重なる増水で、観光ルートの川岸に引っかかったレジ袋のせいで景観は台無しに。船頭が取り除く活動を始めたという、まさに草の根からのスタートでした。

NPOが協力し、GPSを埋め込んだゴミを川上から流す実験を決行。雨の日は80キロの距離をたった一日で大阪湾へと流れ出ることをつきとめます。こうした事実に共感した市民が協力。全国的にはまだ関心の薄かった18年の暮れに、市長と市議会議長名での「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」へと漕ぎ着けます。19年夏にはレジ袋有料化がスタートし、条例制定に。

マイボトル促進として、給水スポットを整備しアプリを開発運用。イベント「mymizuチャレンジ」を開催し、千人の市民が3万7千本のペットボトルを減らすことに成功。一方、市民1100人が登録するゴミ拾いの「エコウォーカー活動」を開始。社会全体でのプラごみゼロに挑み、30年の達成の可能性が見えています。

クラウドファンディングは2022年3月末で終了しました。


今回の講座とは別ですが、いま、長野市の高校生が考案したゲーム感覚ゴミ拾いイベント「清走中」が飛躍的に前進しています。学生の間に広がり、全国16か所での開催を予定。現在クラウドファンディングを実施しています。これらの事例を参考に、自分にできることは何か、考えて行動してみませんか。

2022年2月22日長野市民新聞コラム掲載 執筆:寺澤順子(ナガクル編集デスク)

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前回のプラスチック新法記事はこちら➡️SDGsコラム22 プラスチック新法4月1日施行