SDGsコラム8 水が人々の命を支える

11月19日は「世界トイレの日」だと知っていますか? 2013年に国連が定めました。

パネル6「安全な水とトイレを世界中に」

ユニセフによると、世界では20億人がトイレを使えない現実にあるとしています。SDGsのゴール6では「安全な水とトイレを世界中に」と目標を掲げています。未だに、道端や草むらなどの屋外で用を足す人が6億7300万人。その影響として、人の手や虫、土、川の水などを通じて、大腸菌などの病原菌が人の口に入り、世界では一日800人もの人が下痢などで亡くなくなっているのです。

衛生という側面だけでなく、トイレがないということは、女性や女児にとって困難で危険です。治安や人権の視点からも安心して用を足せる環境作りが不可欠なのです。


これに対して、アフリカや東南アジアなどで、NGOを作りトイレを作ろうと活動しています。身近では、高山村でトーゴ共和国出身の夫をもつ藤澤千尋さんが「アフリカのことを知ってほしい。子どもが死んでゆく劣悪な環境をなんとかしたい」とトーゴにトイレを作るため資金を集め、現地のNGOの活動に協力しています。

アフリカ・トーゴ共和国の村でトイレを作る様子(写真提供=藤澤千尋さん)

一方で、水道の設備のない暮らしをしている人は世界で22億人。干ばつで水が確保できず、水汲みに毎日何キロも歩いて往復するため、教育が受けられない子どもも世界にはいるのです。

昨年の台風19号被害で千曲川が決壊した際、我々市民はしばらく、水道の使用を控えたことは記憶に新しいでしょう。しかし日本で豪雨災害に苦しむのとは正反対に、アフリカ南部では慢性的に干ばつに苦しんでいます。世界三大瀑布といわれるビクトリアの滝が干上がり、南部アフリカ開発共同体によると、昨年は過去20年で最小の降雨量を記録。国連食料農業機関の発表では4500万人が食糧不足に直面しているといいます。

実はこうした水の問題は、自然環境、農業、衛生、飢餓、貧困、教育、疾病など多くの社会課題とつながっているのです。

SDGsでは2030年までに全ての人々が安全な水にアクセスできることを目標としています。水やトイレに恵まれた日本にいても、私たちにできることを考え行動する必要があるのではないでしょうか。

文責:ナガクル編集デスク・フリーライター寺澤順子 長野市民新聞 SDGsコラム「地域を救え! 地球を救え! SDGs達成への挑戦」2020年11月24日掲載

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