NPOに朗報!ソーシャルビジネス投資財団設立へ>クラファン500万円に挑戦!

人生をかけねば、社会を変える仕組みはできない。熱量がなければ社会は1mmも動かない。今の社会のままでは未来の世代に申しわけが立たない

田辺大(たなべ・ゆたか)/夢投資財団発起人
12月18日、第一回オンライン説明会で田辺さん。バックは飯田市の青空!

今、長野県飯田市で、1人の男性が、世の中を大きく変える仕組みをつくろうと、人生をかけて動き出していますーーその人の名は、田辺大(たなべ・ゆたか)さん。「社会起業家」を世に広めた1人で、現在もソーシャルビジネスの起業ファシリテーションや講義などで全国を走り回り、県内では飯田市で「いいだ女性起業家養成講座」講師や「長野県シニア大学 専門コースビジネスデザイン」講師を務めています。

田辺さん自ら起業家精神を持って、財団創立に向け第一段階として、クラウドファンディングを2024年12月17日からスタートしました。目標金額は2025年1月末までに500万円を募っています。目標に達成しない場合はゼロとなる仕組みで、失敗は許されません。

こちらの画像をクリックするとクラウドファンディングの詳細画面へ

NPOが直面する課題は資金調達と人材確保

この財団の重要性とは何でしょうか? 社会問題の解決を目的としてビジネスの手法を用いる事業「ソーシャルビジネス」を実践するNPOに焦点を絞って考えてみると、財団誕生のインパクトは大きいはずです。

NPO法は1998年12月に施行され、2014年度には全国で5万法人を超えました。阪神淡路大震災で活躍した自主的なボランティア団体が法人格を獲得できるようになったことで、市民からの信用性や安定した資金、人材の確保ができる。ほぼゼロ円で起業でき市民自らの手で作り自由に運営できる仕組みが魅力です。加えて、経営母体となる理事は互いに上下関係を持たずフラットな関係で、正会員は総会で議決権を持っています。情報開示が義務付けられ、市民に開かれた法人として、年齢や性別に関わらず設立に挑む市民グループが相次ぎました。

しかし、2017年を境に解散する法人も目立ち始め、翌年には5万団体を割りました。NPO法人の運営に関わる内的要因として、2023年度の内閣府による実態調査では、人材の確保や教育、後継者不足、収入源の多様化の三つが大きな課題として上がっており、いずれもその背景に資金確保の難しさが浮き彫りとなっています。

認定NPO法人、いわゆる寄付した市民や企業が寄付控除を受けられる制度はできましたが、2024年末で全国で約1,300団体程度です。会費・寄付、補助・助成金、事業収入が、NPOの3つの収入の柱ですが、理事やスタッフの高齢化により、IT技術に追いつけず資金調達に苦戦する団体も多いと言えるでしょう。

田辺さんは、2024年度より日本NPO学会の理事も務めています。「現在、NPOの資金源として行政の補助金や企業の助成金活用がある。しかし少額が大半で、しかも継続的な資金確保の保証はなく、1年ごとの申請が多い。これでは世の中を変えるインパクトある活動はむずかしい」と、その資金調達の難しさについて動画などで指摘しています。

夢投資財団のYouTubeでは、丁寧にその仕組みを説明しています。

「夢投資財団」は起業家に大規模な投資を継続的に

「夢投資」とは、どんな人のどんな夢にどう投資するのか。田辺さんは事業説明の中で、自身の過去の支援実績を下記のようにあげます。

<想定事例1>

不慣れなことばかりでも、地元の困りごとを解決したいと小商いを始めた女性起業家の夢を夢投資財団で応援する。

<想定事例2>

まだ日本社会にあまり知られていない障害を引き受けた人々の支援の重要性を社会に知ってもらいたい夢を夢投資財団で応援する。

<想定事例3>

農村の人手不足問題が深刻だが、一方で何か社会のために動きたい不登校児も増えており、双方をつなぐ事業を生み出したいとの夢を夢投資財団で応援する。

以下は、筆者の勝手なシュミレーションですが、例えば・・・

アナタは地域で暮らす中で、一人暮らしのお年寄りや若者が気軽に寄れる健康食カフェ兼保健室が必要で、自分の保健師としてのスキルを活かせるのではと考えます。夢投資財団の賛助会員となりアカデミーに参加、財団が提供するYouTubeなどを通じて学び、スキルを研鑽しつつ、起業までの道のりを細かく設計していきます。

事業計画では、主に法人設立や物件の賃貸と改装、栄養士などスタッフを整えるのにざっと500万円の資金調達が必要となったとします。そして、財団に応募、賛助会員も加わった助成金選考会を突破すれば、必要な500万円の助成金を受けることとなります。

計画に沿って事業を数年で軌道に乗せ、年間50万円以上の利益が出るようになれば、今度は逆にその後の10年で500万円以上を財団へと寄付。他の人が行う新しい事業へと投資することで、お金が循環していくのです。

これが田辺さんのいう「恩送り投資」です。そしてまた「伴走支援をすることがこの財団の特徴」と強調します。これまでの田辺さんの経験に加え、成功事例が出てくれば、賛助会員のコミュニティが生まれ互助機能が期待できます。豊富な資金と豊富な事例、弾力性のあるコミュニティが、地域から全国へ、そして世界へと広がっていくという仕組みが描けます。

あなたの夢が、みんなの夢に。 分かち合い、循環し、永続する未来へ。

夢投資財団ビジョン(予定)
クラファンプロジェクト概要より

あって当たり前の社会的共通資本を強化する財団

前記したように、これまでのNPOをはじめとするソーシャルビジネスでは、行政の補助金や民間の助成金だけではなかなか人件費にお金を使うことが許されず、人材不足に陥り、長期でダイナミックな事業に取り組めないことが大きな課題となっています。さらに、SDGsでもうたわれているように、社会課題解決と経済との両立を推進、つまりソーシャルビジネスにおいて社会課題解決と利益創出の両輪で事業を継続的に成功させるマネジメント能力が必須となります。

地方にいても誰でも躊躇せず、社会に必要だと思うことをダイナミックに実現でき、そのためのサポートを夢投資財団から得られ、自分が得た利益を今度は還元するーーという循環を社会に生み出そうとしています。あって当たり前なのに、これまで弱かった社会的共通資本を強化する仕組みだと、田辺さんは説明しています。


筆者はシニア大学専門コースビジネスデザインで、社会的起業を描く6人の仲間と、講師の田辺さんと共に2024年度の1年間ソーシャルビジネスについて学んできました。

ソーシャルビジネス支援の第一任者である田辺さんの夢投資財団設立は、これ自体がソーシャルビジネスであり、受講生たちにその背中を見せる大きな挑戦です。

田辺さんが人生をかけて取り組むこの財団設立の夢は、地方で社会課題に取り組むNPOや、地域の存続を願う我々市民の夢でもあります。未来が変わる、歴史が変わる、なんだかワクワクします。

クラファンのリターンは賛助会員となれるコースがあります。賛助会員になれば、近い将来新しい夢の選考に加われるのです。その日本初、画期的な一歩にアナタもいま、投資しませんか?

>>>クラファン参加はこちらから

取材・文/寺澤順子(ナガクル編集デスク)