食の大切さを、実践を通して発信しているNPO法人「地球環境フォーラム長野」。
理事長・和田亨さんの活動のきっかけは、家族が病気がちだったことにあります。娘さんが小学生の時、溶連(ルビ・ようれい)菌感染症から慢性腎不全を患い、体育の授業は休まなければなりませんでした。これを発端にいじめにあい、不登校に。中学生になっても学校へは通えず、高校に進学するも途中から行けなくなってしまいました。
また、妻も難病治療に励むなかで日々「健康」について思い悩んでいた時に、一冊の本に出合いました。当時真田中学校(上田市)の校長だった大塚貢さん著『奇跡の食育』です。給食を見直したことで生徒の非行、暴力、いじめがなくなったと書かれていました。
感銘を受けた和田さんは著者に会いに行き、直接話をしたことで「食は人の体と心の健康に密接につながっている」ことを確信したのです。そして、栄養と安全が確保された食事を意識することで、家族は健康を取り戻していきました。
その後、自分たちのように長年にわたり「健康」について悩んでいる人や家庭があるだろう。その人たちに自分の経験を踏まえ、食の大切さを伝えたい、と有機無農薬野菜づくりの団体を仲間3人と立ち上げました。この活動が今につながっています。
「特に、子育て中の若いお母さんに意識してもらいたい。だって、赤ちゃんや子どもはお母さんが与えてくれるものしか口に入れることができないでしょ」。和田さんは始終、穏やかな声と柔和な笑みで語ってくれました。
■和田亨さん プロフィール
NPO法人地球環境フォーラム長野 理事長。長野市在住。67歳。発足10年目の今年3月、松代町東条に「あんずカフェ」をオープンさせる。今後はここを拠点にイベントなどを開催し、多くの人や団体とつながっていきたいと展望する。
■団体情報
NPO法人地球環境フォーラム長野
長野市松代町東条572番地(あんずカフェ) TEL 090-3585-2310(和田)
(記事初出:市民協働サポートセンター発行「機関紙まんまる」2023年冬号)