「2000年に介護保険制度ができた年にNPO法人化に。宅老所としては全国で初めて」と話すのはNPO法人グループもみじ理事長の田中正廣さん。
神科の医療現場で働いていた頃に40代の若年性認知症の患者に出会います。「当時は認知証という言葉もなく、病気を解明する中で関心を持った」と田中さん。「一人一人の暮らしを大事にして最後を迎えさせてあげることが、次の世代を生きるものの役目」と強調します。こうした考えを伝えるため、設立当時講演会を開催し、350人もの関係者や市民が詰め掛けました。その後宅老所を開設。民家を改造して、まるで家に遊びに来たような居心地のいい空間を作りました。
「好きな時間に遊びにきて、お昼を食べるだけでもいい。スタッフが家に訪問することも可能。必要なときに必要な隙間のない介護を24時間体制で対応している」とのこと。
「ここに来ればみなさん穏やかになる。スタッフのやり方を見てご家族も変わる。もみじに出会ってよかったと言われることが成果。法人として使命はほぼ達成してきたと思う」と手ごたえを感じています。
現在長野市で2カ所、松本市で2カ所の宅老所や小規模ケアホームを運営しています。スタッフは51人で年間予算は2億円に迫っています。課題は「資金繰りは綱渡りです」とは言いつつも「もっと多くの人に、この介護のあり方を知ってほしい。必ず社会は変わるはず」と田中さんは、全国で講演活動もしています。
2018.1.3長野市民新聞掲載「市民とNPOのひろば」
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NPO法人グループもみじ
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