【緊急告知】「学びの拠点」継続の危機!? 運営資金240万円ー寄付求む!

「助成金が取れなかった、どうしよう!? 240万円が足りない! なんとかしなくては・・・」
長野市街地にある「学びの拠点」の継続が、今、危機に瀕しています。

運営をバックアップしているのは、特定非営利活動法人長野県NPOセンター。6月の総会を経て、担当理事やスタッフ6人が集まり、緊急対策会議を6月22日に同所で開催しました。

高校生・大学生の居場所「学びの拠点」は、これまで民間の助成金で運営してきましたが、2022年度の助成金審査に通らず、240万円かかると見積もった運営資金確保の目処が立っていません。資金提供してくれる企業、団体、個人を緊急で募っています。運営資金は年間の活動費をはじめ、施設維持にかかる固定費用や光熱費、利用者を見守るスタッフの人件費などに充てられます。

高校生の要望でオープンした安心できる居場所

「学びの拠点」づくりのきっかけの一つは、2019年に集まった高校生たちの声でした。NPOセンターが2017年からスタートした「ユースリーチ」の中で生まれた一つのプロジェクトから「Fourth Place(家庭・学校・カフェに続く第4の居場所)が欲しい!」との提案がありました。

ユースリーチは、高校生や大学生が、学校という枠を超えて自主的に集まり、SDGsなど社会課題解決のために地域のNPOや企業らと協働して活動しようというプログラム。

集まった高校生たちを中心に、「家庭でも学校でも塾でもない、そしてカフェのようにお金がかからない安心できる居場所が欲しい! そこで、交流や学びが生まれ、地域のNPOや企業、大人と一緒に考えたり活動したりしたい」という声が上がりました。高校生の要望に応えNPOセンターが後押しして、民間の助成金に応募。高校生や大学生の居場所として、長野駅から善光寺に向かう真ん中あたり、もんぜんぷら座やトイーゴという市民活動や学習のセンターにも近いビルの1階に2020年に開設したのが「学びの拠点」です。

また、元気な高校生が活動する場「Fourth Place」としての側面だけでなく、2021年からは特に、通信制の学校で学ぶ子たちが通える場所として、また学校に行きづらい若者や生きづらさを感じる子たちが、気軽に寄って安心していられる居場所としても運営してきました。担当スタッフは「NPOのスタッフが交代で見守りを続け、生きづらさを感じる学生たちが、少しずつ元気を取り戻していく姿が見られる」と話します。

未成年の死亡原因のワーストは自殺、今、居場所が必要不可欠に

なぜ「学びの拠点」が必要なのか?

会議にオンラインで参加したNPOセンターの松村隆理事は「長野県は10代の自殺率が全国平均を上回っている。この現実をなんとかするために、学びの拠点のような場所は絶対に欠かせない」と、その必要性を強調しました。実は松村理事、社会福祉法人長野いのちの電話で事務局長を務め、長年、生きづらさを感じる人たちの相談に応えてきました。「自分が困っていると言い出せないことが問題。学びの拠点に通うことで少しでも防げたら」と話します。

「コロナ禍もあって、ますますニーズが高まっている。特に、20代にニートや引き込こもりになる前の予防拠点としての役割も大きい」とNPOセンター代表理事の山室さんが続きます。

学びの拠点への寄付募集を入口に、継続的な応援者をつくる作戦会議

会議では、「どうすれば応援してもらえるのか」が話し合われ、次のような意見が出ました。

<アピールすべきこと>

  • 支援(寄付)することで、何が変わるのかを見せる・・・利用する若者に自己肯定感が育まれる。孤立を防ぎ、仲間がいることで自殺を思いとどまれる。20代以上の引きこもりやニートという社会課題を予防できる
  • 運営団体のNPOセンターがなぜ、学びの拠点事業に取り組むのかをアピールする・・・社会課題につながる個別課題にリーチできる場である。こうした居場所の成功事例を作り、課題解決法としての効果を社会全体に広めていく
  • 若者が生きづらい長野って一体どんな状況なのかをアピールする・・・若者の死亡原因のワーストが自殺であり、長野県は自殺死亡率(人口10人当たり)は、全国平均を上回っている

<寄付や支援を集めるためのアプローチ先と方法>

  • 支えてくれる人は誰か・・・教員OB、民生児童委員、地域の企業、退職者(シニア層)、大学の先生
  • 応援してほしい団体・企業・学校をリストアップしてアプローチする
  • 一過性ではなく、クラウドファンディングやサブスクでの継続的なサポーターを募る・・・NPOに特化したオンラインサービス「Syncable」を利用する。
  • NPOや大学など、運営に協力してくれる団体名を、拠点やホームページに掲げる


アナタの力が必要です!! 「学びの拠点・継続緊急会議」
若者の生きやすさを、大人が本気で考えよう!

NPOセンターでは、今回の「学びの拠点」に対する寄付募集を入口にして、「若者の生きやすさを本気で考える緊急会議(仮称)」をこれからも数回にわたって開催する予定です。

「拠点の継続は、その根幹にある課題解決の入口。自殺率や若者の生きづらさに目を向けて、大人が問題意識をもたなければ何も変わらない。企業・団体・学校・福祉関係機関・シニア世代など関心あるみなさんに声がけをして、まずは『学びの拠点』に来て、見てほしい。緊急会議に参加していただき、本気で話し合い、知恵を出し合い、助けてほしい!」と対策会議に集まったメンバーの意見が一致しました。

取材・執筆/ナガクル編集デスク 寺澤順子