NPO法人CRファクトリーの代表呉 哲煥さんが語る
「強くあたたかい組織づくり」をミッションに活動する東京のNPO法人CRファクトリーの代表呉 哲煥(ご てつあき)さんを講師に迎え、コミュニティマネジメント講座が1月18日に開催された。午前中は佐久市で「コミュニティマネジメントいろはの『い』」、午後は長野市で「コミュニティマネジメントの作戦会議」と題された講座がそれぞれ開催された。
お金以外のどんな報酬があるのか?
佐久市市民活動サポートセンター(さくさぽ)の主催で行われた午前の講座には、ボランティア団体の代表者や地域おこし協力隊メンバーなど12名が参加。
「金銭的報酬を伴わないからこそ、非営利の活動は営利活動よりも難しい」という言葉から講座がスタート。参加者同士のグループワークを交えながら、「金銭以外の報酬で、活動に関わる人たちがどんな報酬を求めているか? 『成長』『出会い』『居場所』『仲間』『やりがい』など、メンバーが関わる理由に着目し、関わる人たちが関わって良かったと思えるような組織を目指すことが必要」と、活動を継続していくためのコツが語られた。
「初めての場に参加するのは誰でも勇気がいる。受付の迎え入れ方、笑顔で声をかけているかどうか、『受け入れられている』『いいところにきたな』と思ってもらえるかどうかが大切」「早い段階で全員一言ずつ自己紹介することも大切。その場にどんな人がいるのかわかるだけでほっとする」など、講師からは場づくりに関するアドバイスも多く共有され、参加者からは「あるある、とうなずける話が多く、今後の団体運営にとても参考になった」と好評だった。
ここまで文:ソーシャルライター/さくさぽコーディネーター 粟津 知佳子
午後3時から長野市に舞台を移し、 長野市市民協働サポートセンター主催で 「コミュニティマネジメントの作戦会議」を 長野市生涯学習センターで開催。 「どうしたら自分たちの組織(コミュニティ)をより強くあたたかいものにしていくのか」を考えた。
長野市では、昨年呉さんを呼んで、市内のNPO法人がコミュニティマネジメントの基本原則を学んだ。そこで、今年は、一歩進んだ内容を企画。市内NPO20団体40人をはるかに超える参加者が集まった。
呉さんは、ワークショップ形式を大切にしています。自分の組織に重ね合わせてその場で解決策を練ることで、組織に帰って即実践できる内容が特徴。
「一緒にこの組織を担っていきたい」と思える理念を共有すること、「自分は役に立っている」と思える自己有用感が存在していること、「一緒に活動するのが楽しい」という居心地の良さがあることがなくては、良いコミュニティが生まれないことを再確認した上で…実際はどうか?
理念は共有できているのかという問いには、「そもそもうちの理念ってなんだ?」「実務に追われて忘れていた」を我に返る参加者も。
自分の組織のメンバーの興味得意を考えるワークでは、「よく知っている仲間だと思っていたのに、好きなことすらわかっていなかった」普段は業務に追われていてなかなかできないが、自分のコミュニティそのものと参加している仲間を知ることは何においても大切であり、そのためには「意図的に時間を作ることが
必要」だと痛感。
「自然とコミュニティがよくなることはほぼない」と呉さんが言うように、努力と計画がなくては強くてあたたかいコミュニティができることはない…。「早速帰ってからやってみます」と、 参加者の多くが帰途についた。
(後半文: 市民協働サポートセンターFacebook記事より抜粋)
※今回の講座を主催する佐久市市民活動サポートセンターおよび長野市市民協働サポートセンターは、特定非営利活動法人長野県NPOセンターが運営しています。ナガクルも同法人が運営しています。NPOの中間支援団体として20年以上の実績を元に、佐久・長野両センターでのこうした講座を今後も企画検討していきます。