丸岡秀子の半生を描く市民ミュージカル上演―2月小諸・長野で

女性の力強さを感じて欲しい 市民ミュージカル「心の中の光となって―人間物語 丸岡秀子の半生―」

長野県佐久市出身で社会評論家で女性解放運動の先駆者のひとり、丸岡秀子(1903年-1990年)の半生を描いた市民ミュージカル (こころのミュージカル)「心の中の光となって―人間物語 丸岡秀子の半生―」 が2月に小諸市と長野市でが上演される。公演を前に、台本と演出を手がけた奥村達夫さん、制作委員・広報の小林泰さんに話を伺った。

――今年で11年目となる市民参加型「こころのミュージカル」が始まったきっかけをお聞かせください。

奥村さん:もとは信州SAKU音楽祭に佐久ミュージカルというものがあったのですが、それはどちらかというとプロの女優さんたちがメインで、市民が脇を固める作りでした。それが10年で終わった後、もう少し市民が主役となって、演劇活動を通じて地域の活性化や交流ができないだろうかと始まったのが「こころのミュージカル」です。

台本演出:奥村さん

――ミュージカルの題材に丸岡秀子さんをとりあげたのはなぜですか?

奥村さん:それまでは冒険活劇やファンタジーといった当たり障りのない作品が多かった。せっかく地域で市民ミュージカルをやっているのに、地域を題材にしないともったいないよね、と、3年前から地域の先人たちを題材に描くことになりました。
日本が近代国家になって150年経つけれども、本当に女性の地位が向上したのか。そう考えると、こんなに大活躍された丸岡秀子さんが地元にいるだから紹介しよう、と。

――女性の地位について、現状をどのように捉えていらっしゃいますか?

奥村さん:政治の世界でも企業の経営者をみても、女性が圧倒的に少ない。その現実だけ見ても、女性の社会進出は遅れていると思いますね。見比べてしまわざるを得ないような今の世の中自体がおかしい。「女性が」「女性は」と冠に持って来なくてはいけないようなところに差を感じてしまう。

今回の舞台で、女性だけが歌うシーンがあるんですね。母親大会のシーンであったり、女性が丸岡さんの言葉に背中を押されて歩みだしていくシーンであったり。そういう場面を見ると女性の力強さ、素晴らしさをなんとなく感じられる。そういうものがもっと大きくなっていけば、実際に丸岡秀子さんが人生を通して貫いたとことに繋がっていくのではと思います。

佐久市コスモホールを拠点にしてスタートした市民ミュージカル。4年前から全国で活躍する劇作・演出家 の奥村達夫さんが館長に就任。しかし2019年10月の台風19号で被害に遭い、現在閉館中となっている。今回の公演は11月に同所で予定されていた。今回小諸市と長野市での上演することになった。

――2019年11月に佐久市で予定されていた公演が、台風の影響により日時と場所が変更になりました。

奥村さん:めちゃくちゃ大変でした。今まで佐久市コスモホールの自主事業として、自由にお稽古場もホールも使えてきた。それが一切なくなって、皆仕事や学校があったりして土日に集中してやるので、お稽古場を確保するのがいかに大変かを実感しました。

小林さん:今回会場となる小諸市文化センターもそうですけど、前から一緒にやっている小諸の先生たちが会場を探すのを手伝ってくれたり、小諸市長、教育長にご尽力いただいたところもあり、良い面で広まりができました。

――舞台の見どころを教えてください。

奥村:市民ミュージカルは、その地域でしか作れない作品です。市民ミュージカルをもっと地域に人を呼び込むための自分たちの財産として欲しい。
1歳から上は70代まで、小諸は130人、長野は150人くらいの方が出演します。プロの舞台じゃあり得ないです。100人を超えるオペラなんて、チケット料金が10万20万ですからね。それを考えると、100人以上出る舞台をこの料金で見られるのは、お得です。

小林さん:初めて見に来たら、いい意味で裏切られますよね。え?これ素人がやっている舞台?って。

奥村さん:丸岡秀子さんの生き方を拾い出してドラマ化しているので、何回も何回も惹き込まれるところがあると思います。子育てをされている女性にとっては、秀子の人生と重ね合わせて、心の襞に触れる部分があるかもしれません。
あと、新保さんという方の素晴らしい篠笛のソロ演奏があります。それだけで1500円くらいの価値がある(笑)。

左が小林さん、右が奥村さん

――特にどんな人に観てほしいですか?

奥村さん:お芝居やミュージカルを嫌いな人。確かに「ここで歌っていいの?」「ここで踊ったりするの変じゃん」とか、むずがゆいところはありますよね。でも、ミュージカルというのはひとつの文化。先入観なく、あまり観たことのない人たちに観てもらいたい。

小林さん:丸岡秀子記念館というホームページがあり、丸岡さんは評論家ではなく「真の教育者」という言葉がありました。農業と教育は統一されたもの、教育は農業の営みそのもので、生命を育てる仕事として成立していると考えていた、と。佐久市ではコスモスプランといって、「読むこと、書くこと、行うこと」という丸岡秀子さんの言葉が小学校で飾られています。教育に携わる方に、丸岡秀子さんの考え、人生の歩みや岐路に触れていただくと、もっと良い教育につながっていくんじゃないかと思います。

奥村さん: 丸岡秀子さんがなぜ「読むこと、書くこと、行うこと」を自分の生きる指針にしたのか。その背景には生い立ちがあるからこそで、その生い立ちを今回の舞台で見てもらいたい。そうすると「こういう生き方をしてきたからこそこう考え、自分の道を切り開いてきたのだ」ということがわかる。特別な人じゃない、ひとりの女性なんですよ。そこに気づいてもらえたらと思います。

(聞き手・執筆:ソーシャルライター粟津知佳子)

第11回こころのミュージカル「心の中の光となって―人間物語 丸岡秀子の半生―」
主催:佐久市文化事業団、こころのミュージカル製作委員会公式ブログはこちら

2020年2月11日(火・祝)小諸市文化センター
全席指定2回公演 11時開演(10:30開場)、15時開演(14:30開場)

2020年2月15日(土)長野市芸術館メインホール
全席自由 13時開演(12:30会場)

各公演全席2,500円(前売2,000円)※いずれも3歳以下ひざ上鑑賞無料

チケットの購入に関しては上記各チケットガイドまで

公演に関するお問い合わせは
こころのミュージカル製作委員会(090-3228-5563)

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