ヒューマンライブラリーの歴史
2000年春、コペンハーゲンで毎年開催される
ヨーロッパ最古のロックフェス「ロスキルド・フェス」の
イベントの一環として始まった
「ヒューマンライブラリー = 人を貸し出す図書館」。
世界20カ国以上で開催されている中、
日本では、2008年12月に京都での開催が初めて。
長野市での開催は、今回で3回目となり、
11月30日長野市権堂のビアホール・TOPI を会場に行われた。
(上田市では11月17日まちなかキャンパスうえだで開催)
障がい者や社会的マイノリティーを抱える人に対する
偏見を減らし、相互理解を深めるもの。
「本(語る人」に「読者(聴く人)」が囲み、
1人30分ずつ、生の声を聴く。
実際の本を読むのと同じように、
彼らの情報・体験・価値観などをページがめくるが如く、
声の強弱、息遣いとともに。
ルールもある。
「本を大切に扱うこと」
「敬意を持って接すること」
図書館で借りる本と同様である。
長野市での「本」
『リアルな私』 小林達也さん
ある人に「いつわり」の自分を見抜かれ、
今は「リアル」な言葉で自分を語ることにした。
現在の勤務先は学生時代に偶然友人と訪ねた場所。
いつ何時、どう巡ってくるかわからない。
つながることは、とっても大切である。
『ちょっとしたお話し 人と人つなぐ大切な話』 大矢康子さん
人生においての財産。
それはどのくらいの人と行き会えたか。
そして交流を深められたか。
そのためには、
初対面での対応、傾聴力などを深めてもらいたい。
『後世に伝える心の遺産づくり』 細川順子さん
戦争体験を聞く会を開催している。
実際に戦争を体験している人はどんどん少なくなってきている。
その体験を生の声で聞くこと、話し方、表情なども
合わせて覚えていてもらいたい。
それを思い出したときに人生の目標になるかもしれない。
『許容される社会と受容し合う空間作り』 波多腰遥さん
違う高校の同い年の女性との出会い体験から、
学校や職場以外に「場」を作ると、
うまく「まわる」ことを体感。
現在、休む場所、仮想空間の「おどり場」という時間を大切にしている。
人の問いに触れると、自分の問に触れる。
辛い時は、違う環境に答えがあるのではと考えている。
『コレが俺のロックだ!~車椅子でヤンチャしてました~』 川崎昭二さん
車椅子で地元の小・中学校へ通う中、
小学5年で両親が離婚。
父親と生活するも、
食事に苦労したことがきっかけでヤンチャな人生へ。
しかし、人生転換!
養護高校でギターとの出会いである。
更に、コンテストの「ベストギタリスト賞」受賞が
「ちゃんと自分をみてくれている人がいる」を体感。
バンド仲間を通じ、結婚、子どもにも恵まれる。
人生は小さな積み重ねが大きな奇跡をおこしていく。
5冊の本。
関わりがそれぞれ違うが、「人」が主人公である。
それが、運営側も同じであった様子がみてとれる。
学生の運営
今回のヒューマンライブラリーは、
学校の枠を超えてSDGs実現に向けた
アクションプラン作成・実践する
「ユースリーチ」のメンバーが運営。
高校生・大学生10名が関わった。
ヒューマンライブラリー代表:倉崎さん曰く
「メンバーのやりたいの声に背中を押されてやってみて、
本当に良かった。自分の人生を語る、は
いい会だと思った」
文責:ソーシャルライター 増田朱美
ナガクルは国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGs(エスディージーズ)に賛同しています。この記事は下記のゴールにつながっています。