子どもの「成長」のために一緒に学びませんか/原 良平

「ブラック」と言われて久しい教師の世界ですが、勤務後や休日に集まって自主的に勉強している教師もいます。教師が学ぶことで子どもが成長し、教育の仕事に確かな手応えを感じるがゆえです。

全国でその志を同じくする教師たちが作る民間の教育団体「TOSS」(Teachers’Organization of Skill Sharing)。その県内団体が「NPO法人長野教師力向上NET(TOSS長野)」です。教科書を持ち寄って明日の授業を相談する自主勉強会や、講師を招いてのセミナーを開催し、子どもへのあたたかい接し方やより良い指導法を学び伝えています。

その一環として、今年挑戦したのが「Shinshu Sensei Fes」(信州センセイフェス)。クラスづくり、授業、不登校・特別支援をテーマに、長野・松本で3日間に渡り開催しました。先生・保護者が学ぶセミナーと、百人一首や手品教室など、子どもが楽しむワークショップを合体させたイベントです。地域の方からもフード出店や協賛の応援をいただき、総計500名を越える方にご参加いただきました。

保護者と教師が共に学ぶ不登校講座の様子

私は「はらいおん先生」という二つ名で、不登校の子どもと家庭支援を研究・実践中です。その成果をフェスの三日目に講演しました。以下は高校生の保護者からのご感想です。

『親なのに現実から目を背けているだけでは?と罪悪感ばかり。逃げてごめん。って思いながら仕事に行くのが毎日つらくて。いつまでこんな日が続くのかな?いつか自立できる日が来るのかな。親なのに何もできない、と落ち込みまくりの日々に、今回のフェスに参加して、子どものために勉強している皆さんは偉い!と原先生に言って頂けて、バカみたいに号泣してしまいました。ホントに励まされました』

私たちの知識と実践で救われる方のために、活動をいっそう広めたいと行動しています。
と、大層なことを書いてきましたが、メンバーの本業は教師。私は小学校3年生の担任のセンセイです。目の前の子どもを成長させることが第一。その上で、自分の教室以外の子どもにも楽しい生活とより良い学びが保障されるよう、優れた指導法を分かち伝えています。

興味が生まれた先生、保護者、地域の方、ぜひ一緒に学びませんか。ご案内のインスタグラムより、いつでもご連絡ください。

執筆:NPO法人長野教師力向上NET(TOSS長野)理事/長野市立篠ノ井西小学校教諭/はらいおん先生の学習会 代表 原 良平
初出:長野市民新聞 NPOリレーコラム「空SORA」2025年6月掲載