地区で活動している団体・企業・個人の取組を知って、なにかつながりができたら。それぞれに、さまざまな想いを持って取り組んでいるが、帰る時にはひとつの方向を向いてつながって地区が楽しく元気になればいい―。
そんな思いを込めて、七二会地域活性化委員会が初めて開いた「七二会(なにあい)サミット」。長野市七二会地区は市中心部から車で30分ほど西へ行った、人口約1400人の美しい山あいの村です。
2024年12月18日(水)、七二会支所会議室に、地区で活動している団体・企業・個人とそれぞれの取組を知ろうと約70人が集まりました。
8つの団体が活動を報告
参加は34の団体・企業・個人。このうち8団体が活動を報告しました。
「夏まつり実行委員会」は、住民同士の交流で地区を良くしたいと昨年、有志を集めて夏まつりを開催。大盛況だった成果をつなげていきたいと、他団体との連携や新たな事業の創成を考えています。
「七二会小学校」は、1学期に1,200匹の蚕を育て、2学期に繭を使って「シルク灯篭」をつくり、今年度「第23回ちゅうでん教育大賞」を受賞しました。美術品としての評価も高く、展示・販売を通じて七二会の特産品になるよう取り組んでいます。
(参考)市民協働サポートセンター【市民活動レポート】七二会公民館主催「シルク灯籠づくり」取材レポート!
「七二会いいとこ発見委員会」は、いいとこ発見ワークショップや地区を歩いて気づきをまとめる講座などを開いています。七二会のいいところを独自の視点でDeepに紹介する情報誌「NANIAI」を発行し、広く配布しています。
「信州そるがむで地域を元気にする会」は、ソルガム(たかきび)の栽培と商品開発などを行い令和5年度長野県「地域発 元気づくり大賞」を受賞しました。地域の特産品として、地域活性化に結び付けられればと考えています。
「七二会里山整備利用推進協議会」は、放置竹林の整備を通じて、有害鳥獣のすみかを減らし、雪による倒伏を防いでいます。多くの人に竹に親しんでもらうよう竹チップの製造や竹ランタンづくりのワークショップを開催しています。
「小坂福寿草群生地愛護会」は、急斜面の安全対策や駐車場と遊歩道の整備、山野草の保全などに取り組み、3月には約2,000人が訪れる七二会一番の観光地になっています。「福寿草の七二会」と言われるよう地区全体で魅力を高めて守り続けたいと考えています。
「ワインデポ長野」は、7年前にワイン用ぶどうの栽培を開始。昨年、長野市初となるワイナリーを竣工しました。今年9月に仕込みをはじめ、来春の販売を予定しています。
「七二会花いっぱいの会」は、4月から11月に月2回「みんなのお花畑」と中学校の花壇を整備し、令和3年度に『ながの花と緑大賞2021』団体・企業の部で大賞を受賞しました。「花いっぱいだより」の発行と七二会ホームページに「今月の花だより」を投稿しています。
各団体の報告で共通して感じたのは、地区を元気にしたいとの想い。
参加者の中からは、「二つしか知らなかった。はじめて知ることができて良い機会だった」、「地元のことなのに案外知らないものだ」との声も聞こえました。
地域活性化・里山活用・食の連携の3つで情報交換会
参加者が3つのテーブル「地域活性化」「里山活用」「食の連携」に分かれ、自己紹介と情報を交換しました。各テーブルに15~18人。自己紹介だけでも時間を要し、予定の45分間はあっという間に過ぎてしまいました。
各テーマの発表で「地域活性化」は、「なにかをいっしょにやろうよ」と提案。月に1回でも、公民館のロビーでサロンを開いて、1時間でもみんなが来て話せるようになればいいと、今後の展開に期待を寄せました。
「里山活用」は、自然を活かして人の役に立つ楽しみなことがしたい。地区が荒れていてはダメ。いっぺんに全てはできないので、続けてなにをやるか、場を設けて共通点や相違点を出し合っていきましょうと呼びかけました。
「食の連携」は、地区で栽培できる西山大豆や小麦、葉物野菜などの情報を交換し、必要なものを栽培する連携とつくったものが売れるマッチングがあったらいいと言い、「次回はサロンで会いましょう」と結びました。
みんなで出し合ったたくさんの想い
活動報告と情報交換の中には、たくさんの「〇〇したい」という想いが込められていました。
・住民同士の交流で、より大きな取り組みにしていきたい。
・他の団体と連携したい。
・地区のブランドにしたい。
・休耕地を使って活性化させたい。
・山の中で子どもたちの心と体を育てたい。
・料理好きの人に入ってもらいたい。
・野菜の栽培方法を知りたい。
・地区内外の人の力を借りたい。
・情報を広く発信したい。
・多くの人に来てもらいたい…。
今後も継続して話したい
はじめて知った団体と人、そして活動の数々。参加者は、多くの学びと気づきを得たようです。
伺った感想の一部を紹介します。
・はじめての集まりでいろいろな話が聞けて良かった。今後も続いていければと思います。
・団体発表は興味深く、もっと聞きたいと感じた。
・今後もこうした機会があれば、また参加したいと思える学びが多かった。
・予想以上にいろいろな活動が行われていることが知れた。
・サロンのように自由に集まって話せる機会があると良い。発案が素晴らしい。
・月に1回とか緩やかに集まれたらいい。
前半の団体発表と後半の情報交換、あわせて2時間がとても短かく思えましたが、会場全体が「今後も継続して話したい」との想いでひとつになったと感じたサミットでした。
これまで知る機会がなかった他団体・企業・個人の活動と想い、課題と期待を知りました。これからは連携して足りないところを補い合いながら困りごとを解決し、いっしょに楽しく活動を続けられたら、地区はもっと元気になる。今後の展開が楽しみです。
外はあいにくの雪でしたが、会場は熱気に包まれていました。
<取材・編集>ソーシャルライター 吉田百助