2019年の台風19号で被災した長野市長沼地区にいち早く駆けつけた是井さん。「無職だったし、高速代が無料だったので」とさらりと話す是井さんの災害ボランティア活動は熱く、これまで12にも及ぶ全国の被災地域に出向いてきました。
出身は神戸市。阪神淡路大震災を経験しています。「自宅は被災を免れたものの、街の悲惨な姿を直視できなかった。むしろ、目を背けるようにしていた」と当時を振り返りました。
2016年に熊本地震が起きた時、「神戸と同じ直下型だ」とすぐにボランティアに参加。そこで神戸出身と言うと、多くのボランティア仲間が「行ってきたよ」と当時の様子を語り始めました。それは次の支援地でも同じでした。「全国からこんなにも多くの人が神戸に来てくれていた。それなのに私は何もしなかった。むしろ逃げていた」。悔恨にも似た思いが、「今度は私が」という”熱い“思いに変わっていきました。
今年、長沼地区住民自治協議会は、災害記録誌『つなぐおもい伝えたい想い』 を刊行。是井さんはその取材や編集の多くを担いました。また、まちづくり委員会にも参加しています。「長沼では『町を作るのは自分たちの手で』という行政に頼らない町づくりを当たり前としていますが、その敢然さは全国的にすごいこと。だから“何でも屋さん”になってお手伝いをしたい!」と語る是井さん。集落支援としての熱い活動はこれからも続きます。
<プロフィール>
兵庫県神戸市出身。2019年の台風19号災害でのボランティアをきっかけに長野市へ。猫の「リンゴちゃん」と暮らす。趣味は茶道、華道、着付けに加え、長野に来てからはウクレレ、リース作り、農作業、キャンプも。
<団体情報>
長沼地区住民自治協議会
℡:026‐217‐2262
メール naganuma.ju@ae.wakwak.com
(記事初出:市民協働サポートセンター発行「機関紙まんまる」2024年秋号)