「1000年集落・サイティナブルでウェルビーイングな地域のみらいをつくる」をスローガンに活動する団体「未来社会推進機構」を飯山市に訪ねた。
北信濃の三大修験場の一つ小菅神社や、天然の湖「北竜湖」を有する一帯に団体の拠点オープンラボじねんぼうがある。そこに「古書館Caféミライ」が2024年5月にオープンした。
未来を語るならまずルーツから、そして対話を
「地球の未来図を描くには、まずルーツを知ることが大切。そのためには、お茶を飲みながら本を読んで、ゆっくり考え語り合える場をつくりたかった」と話すのは、団体の副理事長で運営責任者の出澤俊明さん。一般に募ると古書が短期間で1万冊集まったという。カフェはイベントスペースとして活用でき、絵本の読み聞かせや本の朗読会も開かれた。
また「いいネマ」と題して、スローライフを提唱する「ナマケモノ倶楽部(東京都・代表 辻信一)」が製作した、世界の環境活動家へのインタビュー映画5本を7月から5回にわたって上映。市内外から延べ100人以上が訪れ、5回目の12月14日には、タイの山岳民族の叡智が詰まった「レイジーマン物語」が上映された。
「焼き畑農業」を主として暮らしてきた山岳民族たちの暮らしが否定され迫害された経験と、運動を起こし自分たちの昔ながらの暮らしを大事に今を生き抜く姿が映し出された。その知恵と勇気に見る人は引き込まれた。終了後、ゲストの辻信一さんを囲み語り合った。
地元産のユニークなメニュー
通常、カフェでは自然素材を材料にした食事やお茶が人気。外部シェフによワンデー企画もふんだんにある。翌15日のよもぎ料理の日には、外国人の利用客も目立った。起業のチャレンジショップ的機能もかねている。
思いのある人がつながり、ミライを変えたい
出澤さんは市の職員として経済や観光推進などに従事し令和3年に退職。「実践者として自由な発想で、エリアマネジメントに携わりたい」と今の活動を始めた。
「人口減が課題。空家に移住者を招き若返りを進めたい。地域資源を活用しお金に変える仕組みが必要で、ソーシャルビジネスを推進し雇用も生み出したい」と目を輝かせる。
小学校の統廃合で残される校舎を使った新しい企画も模索しているという。
「人が変われば社会が変わるはず。思いがある人がここに集まってつながれば、きっと地域が良くなるはず」と飯山への想いを語った。
取材・撮影・執筆/ ナガクル編集デスク 寺澤順子
※初出とお詫び:長野市民新聞コラム2024年12月24日の「SDGs達成への挑戦」に掲載された記事で記事で、出澤俊明さんの苗字に誤りがありました。ここに訂正し、心よりお詫び申し上げます。
>古書館Caféミライ
>〒389-2322長野県飯山市大字瑞穂6117−2 オープンラボじねんぼう内1階