もともと家庭教師派遣会社にいた上垣さんは、自分のスキルを活かして社会貢献がしたいと、2008年仲間とともに学習支援のNPOアイウィルを立ち上げました。「必要最低限の価格設定で本当に支援を必要としている子たちの学習の場」をつくろうと活動を始めました。
まずは法人の知名度を上げようと寄付で集めた参考書のリサイクルイベントを開始、学習会は公民館など公共の場を使うなど、利用しやすい場づくりをしました。児童養護施設への出張学習室を実施すると、徐々に利用者からの信頼を得られ、行政との連携もできるようになっていきました。
コツコツと実績を積み上げてきた上垣さんですが、当初は行政に相手にしてもらえなかったり、情報共有がうまくいかず、孤独を感じた時もありました。悩みを聴いてもらえる場所を求めて、(市民協働サポートセンター)まんまるに来て愚痴をこぼすこともあったと言います。自分が聴いてもらううちに自分たちが目指すのは学習支援だけでなく、子どもたちが悩みや話を聴いてもらえる場所なのだと気づき活動に活かしています。
「学生時代10種類以上のアルバイトを経験した中で家庭教師は自分にとっての天職。今でも教えることや勉強が好きで生涯現役の家庭教師でありたい」と思っています。そんな上垣さんの楽しみは、お風呂あがりに、水槽を気持ちよく泳ぐ100匹のめだかを眺めて過ごすこと。毎日の日課となり癒しとなっているそうです。
プロフィール 長野市信州新町にご主人と子ども供2人の家族4人で暮らす。スイーツ好き。現在はダイエット中で、ウォーキングに加えスイミングも始める予定。
団体情報 NPO法人プロ家庭教師のネットワーク I WILL(アイウィル)
〒381-2423長野県長野市信州新町日原西304-1 026-264-2070
(記事初出:市民協働サポートセンター発行「機関紙まんまる」2021冬号)