お祭りの日に、防災? YES !BOSAI!
連日、猛暑日が続く長野市ですがこの日も、かなり熱かった!8月3日の長野の夏祭り「長野びんずる」スタート前の午後、中央通り歩行者天国の北石堂町路上で行われていた「楽しいBOSAI」というイベント体験をしてきました!私たちの暮らしを守る「ライフライン」関連企業、消防署や警察など15種以上のブースが出展していました。
消火器で遊んじゃっていいの?
今日は、いいんです!
「楽しいBOSAI」って、どういうこと?防災が楽しくなるの?実は、そんな疑問を持っていたのですが、すぐに、その謎は解けました。たとえば、消火器を水鉄砲がわりにする射的コーナーや、復旧工事などで使用するボックス型のクレーンの乗車体験、いろいろなヘルメットを一同に集めてコスプレ気分が味わえるブース、子供用の大きな電話機を使った災害ダイヤル体験、「ながの災害・防災ネットワークみらい」(略称:ながのみらい)さんが担当していた工作を楽しむように新聞紙でつくるスリッパや、ペットボトルを再利用してつくるランタンの作り方コーナーなど、親子づれが参加しやすいものばかり!
なかでも、パルセイロレディースの選手たちと一緒にゲーム感覚で行う「バケツリレー」は一大イベントでした。飛び入りでも参加できるバケツリレーは、おおいに盛り上がっていました。
「備え」って安心なんだね。日常から、防災意識を高めよう!
あちこちのブースを回る中で、給水車から、直接飲めるお水をいただきました。かなり暑い日だったこともあり、その冷えた水のおいしいこと!おいしいこと!職員の方のお話によると、長野市水道局にはおよそ3トンの水を運べる給水車を8台保有しており、大規模な災害でなくても、水道管の不具合などから断水した地区へ出動をしているそうです。給水車は、日々活躍しているんですね。
また、全国各地の災害現場では、市民への警報の遅れが大きな被害をもたらしていることもあり、現在、長野市では、河川の増水を測定するメーカーさんと協力し、市内各所の避難警報器と連動する独自の防災システムを開発中というお話も聞きしました。私たちの知らないところで「もしもの時の備え」をしていただいていることに、感謝と安心の気持ちがわいてきました。
楽しいBOSAIでの経験がきっと、役立つ時が来る!
このイベント「楽しいBOSAI」の立役者、井川誠さん(美容室オレンジペコ会長)にお話を伺いました。井川さんたちは、北石堂町商店街振興組合を中心に、タウンパートナーとして長野パルセイロ応援イベントや、複数の駅前商店会が協働する「ながの街なか市場」など、様々なまちづくりイベントを企画開催してきています。
「楽しいBOSAI」もそもそもは、びんずる祭りが始まるし開催前の時間も、中央通りの歩行者天国を活かすために、親子連れが喜ぶ働く車を大集合させよう!というアイディアが始まりでした。
一方で、長野市は、善光寺さんに守られているから大丈夫、という噂が信じられているからか・・・、毎年、住民自治協議会(地域の自治組織)が行っている避難訓練も、参加者は残念ながらほぼ役員しかなく、学校の避難訓練も、本当に必要な訓練ができていない、という現状があります。
この街の実態は、山に囲まれた地形のための土砂崩れや、大きな河川が流れているので増水といった災害などのキケンとかなり隣り合わせ。決して、防災の視点からは必ずしも安心できる環境ではありません。
そこで、「防災」を「BOSAI」という楽しい感覚で、イベントとして体験してもらえば! 消火器の使い方を知ってもらったり、登り旗やTシャツでも人を運ぶ担架の作り方、「けが人を運ぶときは、頭からは不安だから、足から運ぶといいよ」というちょっとした知恵や技術を伝えることができるのでは・・・・という思いがベースとなっています。地元の商店街振興組合だけではできないことを、多くの企業や関係機関に出展してもらい、楽しく遊びながら子どもたちに学んでもらえるように、創意工夫しています。
井川さんは汗をぬぐいながら、にこやかにこれからのビジョンについても話してくださいました。
「楽しいBOSAI」でいろいろな体験をしたキッズたちが、いざというとき避難所現場で想像以上の活躍をしてくれるんじゃないかと想っているんですよ。来年は、小学校の体育館を借りて「避難所体験」も企画します。万が一、この地域で災害が起きたら、私たちが避難所を運営しますからね」
お祭り気分で楽しみながら≪防災意識≫を高めることができる「楽しいBOSAI」は、今年の暑い夏に負けないほど長野を愛し、多くの人々を守りたいという高い志と情熱ある皆さんによって運営されていました。
ナガクルは国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGs(エスディージーズ)に賛同しています。この記事は下記のゴールにつながっています。