創業120年の歴史を誇る長野市篠ノ井の老舗旅館「相生館」。「この場を、人が出入りする場として有効活用してほしい」という同旅館からの呼びかけをきっかけに、子育て中の母親を中心に誰もが集える居場所「まんまの間」が2025年9月に誕生しました。市民活動団体や市民協働による居場所の運営の1カ月を追い、関係団体のリーダーに話を聞きました。
運営には、NPO法人場作りネット(上田市)やごちゃまぜ育児サロンのいね(長野市)など、東北信地域で居場所づくりや子育て支援に取り組む複数の団体が関わっています。


まんまの間・オープンday
9月11日(木)、「まんまの間」がオープンしました。ここは、お母さんたちが「ありのまま」で助け合える場を目指しています。
オープンdayには、「どのようなところか見たい」という見学ツアーのほか、おしゃべりや子育て、休息、食事など、さまざまな過ごし方が混ざり合い、参加者それぞれが自分らしい時間を楽しみました。
まんま(ご飯)を囲みながら共に過ごすことで、「そのまま」でいい、自分らしくいられることを実感できる場所です。


性教育教材作り「チクチク会」
9月18日(木)は、包括的性教育の授業や講演を行っている、うごく保健室 りんごっ子保健室キャラバン隊(佐久市)による性教育教材作り「チクチク会」が開かれました。

「包括的性教育の教材を作りたいけれど、手芸は苦手…」という声に応えて、手芸が得意な人たちにサポートしてもらいながら、針と糸を手に「チクチク」。手を動かしながら受精や子宮、性器、ジェンダーや権利などについて語り合い、楽しみつつ学び合う時間となりました。
おしゃべり会
9月25日(木)には、参加者6人で「NVC(非暴力コミュニケーション)」のおしゃべり会を開催しました。


「傷ついた」「むかつく」などの気持ちを表す感情カードや、「大事にする・される」「祝福する」などの願いを表すニーズカードを使いながら、自分の気持ちや大切にしたい願いに向き合い、対話しました。
参加者からは、「人に聞いてもらうことで自分の知らない気持ちに気づけた」「他の人の話を聞くことで心に触れた気がした」といった感想が寄せられました。
バランスボールでリフレッシュ
10月2日(木)は、「バランスボールエクササイズ」。千曲市の子育てサークル「ママバランスボールサークル@チクマ」の出張版として行われました。
インストラクターは安川麻美さん。参加者はバランスボールに座り、バランスをとります。大人6人と子ども3人が、音楽に合わせてリズムに乗りポンポンと弾みました。

子育てや仕事、家事で毎日励むお母さんたちは、肩こりや腰痛、偏頭痛、生理不順、ホルモンや自律神経の乱れなど、心と体の不調を抱えることが少なくありません。そんなとき、流行りの曲に合わせてバランスボールで弾むと、心も体もすっきり軽くなります。
安川さんは「笑顔」の大切さも語ります。笑顔には幸せホルモンが分泌される効果があるそうです。
参加者からは、「すっきりしました」「運動だけじゃなく、ゆったりリラックスの時間も含めてよかったです」「弾むから気持ちも上向きになる」「たのしかった」といった感想が聞かれました。
安川さんは、第二子出産後の体調不良を機に産後ケアとバランスボールに出会い、心身の健康を取り戻しました。その後、医学的知識や妊活、マインドケアなどを学び、現在はインストラクター歴4年目になります。「産後のお母さんたちがリフレッシュして元気を取り戻すきっかけになれば」と話します。

母たちが「ありのまま」で助かり合う
生活相談を通じて見える社会課題から上田市で「場作り」を進めるNPO法人場作りネットの秋山紅葉さんは、「まんまの間」について次のように話します。
「子育ての渦中にあるお母さんたちが運営する公民館のような場にしていきたいです。誰でも気軽に来られるようにしたい。対話を通して社会との距離をゆるめ、支援する側とされる側が互いに助け合える場にしていきたいと思います」
「ごちゃまぜ育児サロンのいね」は、「母親が支えを得られずに一人で子育てを抱え込む『孤立育児』を減らしたい」と【助かりあう育児】【ごちゃまぜ育児】を展開しています。
代表の東篠美帆さんは、「まんまの間」という名称に、「『ありのまま』でいい、『そのまま』でいい。まんま(ご飯)を囲んで共に過ごす時間を大切にしたい」という思いを込めています。
毎月第2木曜日には、食材を持ち寄っておしゃべりしながら調理し、できあがったご飯をみんなで囲む【むすびの日】を開きます。
東篠さんは、「お母さんがリラックスできると、子どももリラックスできます。料理もみんなで作ったほうが美味しい。今までありそうでなかった、そんな居場所をつくっていければ」と話しています。

「まんまの間」は毎週木曜10時~14時、入館料300円。今後の予定は、「ごちゃまぜ育児サロンのいね」で発信しています。
取材・執筆/ ソーシャルライター 板本泰治(いたもとやすはる)







