子どもが自由にやりたいことができる遊び場、あそvivaちくまプレーパークが2025年6月28日、千曲市・白鳥園ひろばで開催されました。
主催は、まなvivaちくま。千曲市内の母親のグループで、2021年に米国の教育ドキュメンタリー映画の上映会を開いたことを機に、4年前に発足しました。「子どもたち一人ひとりが自分に合った学び方や学びの場で、のびのびと自分らしく学ぶ環境を選べる」――そんな“幸せな”学びをテーマに、子どもと大人が一緒に考え、行動していくことを目指しています。

プレーパークは、「遊ぶことは子どもの大切な権利のひとつである」という考えに基づき、子どもが自由に表現し、挑戦し、そして安心して失敗できる――そんな環境を大切にしています。
子ども自身が「やりたい遊び」を自由に選び、のびのびと過ごすことで、健やかな成長を育んでほしい。そんな願いが込められた場所です。
白鳥園ひろばでの開催は初めて。このひろばを、より市民活用・活動する場としてきっかけづくりを行っている「ワクワクアツアツひろば会議」に誘いを受けたことで実現したものです。

水遊びが大人気、多彩な遊びに笑顔いっぱい
暑いこの日は、水遊びが大人気でした。


ほかにも会場には、木工遊び、火起こし体験、皿回し、コマ、けん玉、色水遊び、巨大シャボン玉といった多彩な遊びのアイテムが並びました。



ブルーシートを使って小丘の斜面に設けた手作りのウォータースライダーには、水しぶきを上げながら滑り降りる子どもたちが次々と訪れていました。

火起こし体験に挑戦
こちらは、「火起こし体験」の様子です。
「1・2、ケムリ・ケムリ」と声を合わせながら、リズムよく棒をこすって摩擦熱を生み出します。やがて煙が立ちのぼり、火の種ができました。ほぐした麻紐にくるんで空気を送り込むと――ついに火がつき、大きな歓声が!
自分の手で火を起こせた喜びは、何ものにも代えがたい体験になったようです。


子どもたちがのびのび遊べる
この日の昼食には、子ども食堂を毎月第2・第4水曜日に戸倉創造館で開いている「Olive いばしょカフェ」が協力。来場者にはミートソーススパゲティがふるまわれました。

「暑いので噴水で遊びに来たら、楽しそうなイベントをやっていたので参加しました」「チラシがあったので寄ってみました」など、この日は、初めての参加者が多かったことも特徴でした。
「たまたま子どもを連れてきたら、水遊びをしていて参加しました」というお母さんは、「水遊びって今では家の前ではなかなかできなくて。特に水鉄砲なんて、ご近所の迷惑になっちゃいそうで」と話します。
子どもたちと参加したお父さんは、「今どき、学校なんかでは『あれはダメ』『これは危ない』と制限が多いけど、こうやって自由に遊べる場はありがたい。のびのびと遊べて、いいじゃないですか」と話してくれました。
自由な遊び場を千曲にも~『あそvivaちくまプレーパーク』ができるまで~
『あそvivaちくまプレーパーク』が始まったきっかけは、メンバーが川崎市にある「子ども夢パーク」に遊びに行ったことや、その夢パークをテーマにした映画『ゆめパの時間』の上映会を開いたことでした。
「子ども夢パーク」は、子どもたちが自分のやりたい遊びを見つけ、自由に過ごせる場所として知られています。そこで子どもと関わる「プレーワーカー」と呼ばれる大人たちは、子どもたちの自由な遊びを見守り、サポートする役割を担っています。
そんな経験から、「千曲市でも、子どもたちが自由に遊べる場をつくってみたい」と考えるようになったのです。
さらに、川崎市子ども夢パークをはじめ、全国のプレーパークで活動しているプレーワーカーの男性も仲間に加わってくれました。彼はさまざまな遊び道具を持ち込んで、そこにいるだけで、その場所がたちまち子どもたちの遊び場、「プレーパーク」に早変わりします。
まなvivaちくま代表の峯村怜子さんは、プレーパークの意義について次のように語ります。
プレーパークは、子どもが自分の責任で自由に遊べる場。ケガは自分持ちです。家庭や保育園、学校では、子どもがケガをしそうなことは避けられがちですが、ここでは『やってみたい』という気持ちを何より大切にしています。遊びの中での失敗やちょっとしたケガを通して、子どもたちは、危険とのつき合い方や『失敗しても大丈夫』という自分への信頼感、『次はこうしてみよう』という『自分で考えて決めること』を自ら学んでいくのです。大人が先回りして守るのではなく、そっと見守ること。そして、子ども自身の力を信じること。それがプレーパークの考え方です。実は、大人にとってもすごく楽しい場所なんですよ

この日は、子どもたちが思い思いの遊びに夢中になり、大人も一緒になって全力で遊ぶ姿が見られました。笑顔があふれ、思いきり遊んで、自ら学ぶことの大切さを改めて感じさせてくれる一日となりました。
まなvivaちくまの今後の取り組みは、フェイスブックページで。
取材・執筆/ ソーシャルライター 板本泰治(いたもとやすはる)



