「人を観察するのが好き」と話す、岡宮真理さん。それは、岡宮さんの軌跡が物語っています。
出身は山形県。かつてはよく見かけた「鍵をかけない」「人が気軽に出入りする」自宅だったそう。それが嫌で仕方なく東京の短大へ進学しました。就職は帝国ホテル東京。「人が嫌だったのに、多くの人と接するフロントに配属された」と笑って話します。

結婚を契機に長野市へ。「お母さんがいつもいる家」だったことから、小学生の息子さんの友達が、放課後はもちろん、休みの日にはお弁当を持って自宅で遊ぶように。そんなある日、育児放棄されていると思われる女の子と一緒に帰ってくるようになります。「うちだけでは限界がある。公の場所で子どもたちを見守っていきたい」と、2016年に公民館を借り、居場所「さんぼんやなぎプロジェクト」を始めました。その後、閉所したJA建物を借り、「にっこりひろば」に改名後にNPO法人化します。
時に周囲から「やりすぎだ」など心無い言葉をあびたこともありましたが、一晩寝て起きると「たいしたことない」という気持ちに切り替わったそう。それは、10年程前から息子さんと始めた空手の稽古で「自分と向き合う、人のことをあれこれ考えない」ことを学び、それが影響しているのではと自己分析します。
将来について岡宮さんは語ります。「人が嫌で都会に出たけど、ホテル就職、子どもの居場所づくりをしているのは、いろんな人と話しをする中でその人の気持ちを理解しようとする過程を私自身が楽しんでいるのでしょう。今後も『何がなんでも』という気持ちはなく、無理しない。協力してもらってやれる範囲で活動を続けていきます」。
◆団体情報
NPO法人にっこりひろば
TELはこちらから
メールはこちらから
◆プロフィール
山形県酒田市出身 日本空手協会弐段所持 小中学校時代は卓球選手でした。白いご飯とそれに合うおかずが大好きです!
(記事初出:市民協働サポートセンター発行「機関紙まんまる」2025年春号)