NPO法人ながのこどもの城いきいきプロジェクト 廣田宜子(ひろた のりこ)さん

「何の知識もなくNPOの世界に入った」と廣田さんは言います。「私をここに引っ張ってくれたのは、とあるNPO法人が主催した環境イベント。2010年、子どもと一緒に参加しました」。

当時の廣田さんは母親を亡くしたばかり。享年54歳という若さでした。妹は母親を失ったショックで不安定になり、長女として妹を支えなければならない立場にいましたが、不安や憂いの中にいたのは廣田さんも同じ。大きな指針をなくした中で、小学1年生と幼稚園年中の息子2人を育てていました。そんな時にママ友から誘われたイベントでした。

廣田さんにとって、そのイベントは久しぶりに家庭以外の社会と触れる機会でした。新鮮な驚きと解放感に溢れていて、気づけば夢中になって、のめり込んでいました。これを機に、「引っ張られる」ようにしてNPOの世界に関わるようになりました。

2011年には、市民協働サポートセンター(旧市民公益活動センター)のスタッフに。2019年、災害支援事業立ち上げのスタッフとして「NPO法人ながのこどもの城いきいきプロジェクト」へ移籍。日々勉強からのスタートでした。

「出会った一人ひとりに可能性を見出してもらった」と振り返る廣田さん。その一つが「自分は人と直接関わるのが性に合っている」ということ。中間支援としての活動の中で団体と関わり、大小さまざまなイベントを開催する中で、子どもも親も楽しんでいる姿を見てきました。参加者だけでなく、主催者もはつらつと取り組んでいる様子に、達成感や充実感を覚えました。

「直接支援に携われたことがモチベーションを上げ、今のこどもの城での仕事につながっているように思います」。 平坦ではなかった人生の経験が廣田さんをさまざまな支援活動に引っ張っているのでしょう。

プロフィール
長野市生まれ。自然に触れることが好きで、姪っ子を連れて山へ花を見に行ったり、冬はスノーボードを楽しんだりしている。好きな食べ物はあんかけ焼きそば!

団体情報
NPO法人ながのこどもの城いきいきプロジェクト
℡:026‐225‐9354
メール n-saigai@na-kodomo.com

(記事初出:市民協働サポートセンター発行「機関紙まんまる」2024年春号)