きっかけはひとつのTweetだった。
#上田と市政とコーヒーと
このタグを2020年9月9日に発信したのは投稿主の「もぎりのやぎちゃん @g0hvpn 」
以来、 [#上田と市政とコーヒーと]でつぶやいたタグには市内の政治(市政)に関する様々な問いへとつながっていった。
「政治」と聞くと、皆さんはどのようなイメージをもつだろうか。
漠然とした「難しさ」や「自分の生活とはあまり関係がない」などとかく意識をはずしであったり、あるいは「真剣に考えなければいけないだけどなかなか考える機会がない」テーマかもしれない。
筆者は政治について話すとき、「わかってないと話してはいけない」「本気にまじめにかかわらないといけない」雰囲気を感じることがままある。
「『意識高く』とか、『何かを変えよう』といった気持ちはなくて、ゆるく話す場としてあればいいなぁって」
もぎりのやぎちゃんこと、やぎかなこさんはインタビューで柔らかな口調で話してくれた。
その日は上田と市政とコーヒーと、の第3回目。
今回は「市政とお金の関係について前向きに深堀してみよう」というテーマ。
会場は上田市海野町商店街にある「犀の角」
ゲストハウスや劇場設備などを備えており、イベントの会場としても使われる。
http://sainotsuno.org/
今回参加したのは、4名。うち2名はオンラインの参加。
現役の上田市議会議員も参加していた。
内容は「はりぼて」という映画から。数年前富山県で起こった市議会議員14名が辞職した政務活動費をめぐる一連をテーマにしたもので、その少し前に上田映劇で上映をしていた。
政務活動費って名前を聞いたことがあるけど、よく知らない…という疑問から始まり、上田市の状況、他市と比べて高いのか安いのか、使い勝手はどうなのかなどが話題になった。
そののち、議員報酬や供託金(選挙へでるために法務局へいったん収めるお金。一定の得票数を獲得しないと没収される)についての話題も出た。
なかでも興味深かったのは、税収をあげるにはどうしたらよいかという話題になった時だ。
コロナ禍で税収が落ち込む中、どうやって税収をあげていき、分配するか。
税収の多くを占めているのは固定資産税と法人税だ。
ひょっとしたら今盛んに各地で勧められている空き家対策なども、税収対策の一環なのかもしれない、と会場で気づきもでた。
会は2時間で終了。
主催のやぎさんと、よしざわまほさんは、
「わからないことを言える場、知れる場を作ってみたかった。何かを変えたいわけではないけれど、ここで生まれた疑問を文章などにして何らかのかたちで提案するおまけみたいなのがうまれれば良いかなと思う」、とインタビューに答えてくれた。
会の主催にあたり、意識していることがあるという。
冒頭のTweetにもある「ゆるさ」だ。
「テーマが政治だと堅苦しくなりがちだったり、ふと気を抜くと、何かをしないといけない、変えないといけない、となりがち。自分がたのしく安心して自分の言葉で話せる場がほしかったから、堅苦しくなく、どう楽しむかという観点ですすめている。話す場としてあくまでゆるくゆるく
『雑談としての政治』をどう楽しむか。
二人のゆるさに筆者はほっこりしながら真面目に考えられる場所の大切さを痛感した。
ここまで、取材執筆撮影: さらみ (ナガクルソーシャルライター)
まとめ・・・・以下、ナガクル編集デスク加筆。
長野県の選挙人名簿登録者数は、令和3年3月現在で、1,734,429人。前年12月から3ヶ月で1,781人減少している。人口がどんどん減っているという現実がある。
平成30年3月25日に執行された、上田市長選挙の投票率は58.14% 上田市議会議員一般選挙が58.13%。
人口も投票率も年々減少傾向にある。
そして、課題は、投票率に限らず、当選後の市政への関心が危機的状況にあることだ。
一例として、議会のオンライン傍聴をする人が少ない。長野県議会はYouTubeでの配信をしているが、3月21日時点で、チャンネル登録者がたった193人、視聴回数が数回から多くて数十回程度しか試聴されていない。
上田市議会のYouTubeチャンネル登録者がたった55人、令和2年度市議会報告会は意外にも、467回は視聴されていた。
県や市町村の広報が配布されたり回覧されたりはしている。しかし、果たして若者や子育て・働く世代の手に届いているのか。ホームページだけでも弱く、TwitterなどのSNSを通じて、自治体もなんとか情報発信を始めている。
議員それぞれが、SNSで、情報公開をしたり、日々の活動を呟くことも重要だ。
2月17日【緊急企画】パリテ・カフェ@信州~森会長発言を多面的に考えてみる~をオンラインで開催。地方議会議員の有志と関心のある市民、約30人が人権について意見交換した。
ゆるくオンラインで集まり、それを行動へ、そして政策へと移していくという仕組みをうまく組み立て、政治への関心の高まりを期待したい。