【NPO法20周年記念インタビュー 】 NPO法人理事長に聞く、その成果と課題
2000年に仲間が集まり、翌年には美術館運営では当時例がないNPO法人を立ち上げました。「メリットは、他の美術館や団体とパイプができたこと。そして情報が入ってくること」と話すのはNPO法人ひとミュージアム上野誠版画館理事長の田島隆さん。
川中島出身で版画家として知られる上野誠(1909-80)は、平和をテーマとした作品が多く、美術館にはその作品約250点が収蔵されています。
「海外にも多くの作品が残されている」と田島さんたちは、スロベニアや中国の美術館を訪問。またヒューマニズムや平和をテーマとした県内外の美術館との交流が成果だと語ります。
一方で、小学生と一緒に地域の大仏にまつわる物語を絵本にしました。また地元の中学で毎年美術鑑賞の授業を行っています。美術館は市民活動をする人たちの活動の場となっています。
毎月2回平和や人権、環境などのDVD上映会も行われています。人脈を生かして、平和活動家や芸術家を国内外から招いた作品展や、講演会、コンサートなども数多く開催してきました。
法人としての課題は「人とお金」と即答。「PCの技術をもって情報の収集や発信する人材がほしい。補助金は活用しても報告が大変。そして美術館の後継者も」と運営の苦しさを話します。
今後についてたずねると「弱者に寄り添った上野誠を多くの市民に知ってほしい。国内外を訪ね、まだまだ公開されない作品を掘り起こし紹介したい」と目を輝かせました。
2018.1.3長野市民新聞掲載「市民とNPOのひろば」
団体情報
NPO法人ひとミュージアム上野誠版画館
長野市川中島町今井1698
TEL : 026-283-2251