NPO法人 エコライフ・プロジェクト信州 片桐 治さん

名山連なる南アルプスと中央アルプスに囲まれた飯島町で、自然とともに育った片桐治さん。少年時代から山や川に親しみ、社会人となってから受けた管理職研修で「人は皆平等」という価値観を深く胸に刻みました。この学びは後の人生に大きな影響を与えます。

1980年代後半、地球温暖化への関心が国際的に高まる中、「人と地球のために何かしたい」と感じた片桐さんは、勤務先の中で社内NPOを立ち上げました。会社の許可は得られたものの、資金援助はなく、活動は手弁当。それでも「まずは身近なところから」と、会社周辺のごみ拾いや花壇の整備を始めました。

現在79歳。かつて社内で立ち上げたNPOは、今では地域に根ざす「NPO法人エコライフ・プロジェクト信州」に形を変えて活動をしています。会員には、入会前に団体の理念と背景を丁寧に伝えるとのこと。「目の前の小さなことでも、よい社会をつくろうとする人が増えれば、きっと世の中は変わります」と語る片桐さんの姿勢は一貫しています。

地域の見守り、公園整備、週2回の朝市やラジオ体操など活動は多岐にわたり、フレイル予防にもつながっています。「スタッフはこのロゴ入りジャンパーを着て活動するんだよ」と嬉しそうに話す片桐さん。「人はひとりでは生きていけないし、笑うことも大事だよ」とやわらかな笑顔を向けてくれました。その言葉と姿に、長年の実践からにじむ優しさと力強さが感じられました。

◆プロフィール
片桐治さん 伊那谷飯島町出身 
かわなかじま川柳会と手作りワイン会にも在籍
作りながら笑い、飲む前に酔う…愉快に挑戦中!

◆団体情報
NPO法人エコライフ・プロジェクト信州
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(記事初出:市民協働サポートセンター発行「機関紙まんまる」2025年夏号)