フードバンクで子ども支援を

 県内4カ所に拠点を置く「NPO法人フードバンク信州」は1月、県下2カ所で「こども支援とフードバンク活動を広げるセミナー」を開催しました。1月22日の会場、小諸市市民交流センターには、こども食堂運営者や、福祉団体、企業、行政関係者など約70人が集まりました。

同NPOは、専門家や市民団体が集まり、食品ロスと貧困の同時解決を目指して2017年に法人化しました。県下各地で企業や一般家庭から食品を集め、貧困家庭や福祉施設などに寄贈しています。

セミナーの冒頭では、長野大学鈴木忠義教授が「子どもの貧困と食の意味」についての基調講演をし、データを示してわかりやすく説明。「7人に1人と言われる子どもの貧困。正しい実態を世間に知ってもらうべき」と訴えました。

フードバンク信州は、貧困者への直接支援のほか、こどもの居場所の食材支援にも力を入れています。パネルディスカッションでは、フードバンク軽井沢あたしキッチン上田明照会のフードバンク佐久地域こども応援プラットフォームについて紹介がありました。「食品を集める拠点が、小さな地域にたくさんできればありがたい」と、会場からも意見が出ました。

 最後の1時間は、参加者がグループに分かれて、協働についての意見交換をしました。「フードバンクの活動を通して、支援者がつながりあい、支えあいの輪が広がれば」と同NPO事務局長の美谷島越子さんは話していました。

(長野市民新聞2019年2月5日掲載)